近年、日本人の対中感情が悪化していると言われるが、中国に在住する日本人は決して少なくない。外務省の2015年10月1日時点の海外在留邦人数調査統計によれば、中国に在住する日本人の数は13万1161人と、国別で見た場合は米国に次いで2番目の多さとなっている。

 中国メディアの捜狐はこのほど、「日本人は中国居住にあこがれているのか?」と疑問を投げかけ、日本人には「中国に居住したがる理由」があると主張する記事を掲載した。

 記事は、中国に在住する日本人が多いということは「口にしないだけで中国を羨む人も少なからず存在する」ことを示していると主張、そのうえで「日本人が羨む中国の良い点」を考察した。

 1つ目は、「住民税がない」ことだ。中国にも所得税に当たる税はあるが住民税はない。そのため生活が楽なのだという。2つ目の点は「不動産税がない」こと。日本では不動産を所有していると固定資産税がかかるが、中国の大多数の都市では個人用の住居には固定資産税はかからず、上海など一部の都市で試験的に導入しているに過ぎない。

 3つ目は「都市部で自動車が所有できる」ことで、日本では都市部で自動車を保有するにはコストがネックになるとしながらも、日本に比べると中国のほうが保有しやすいのだという。しかし駐車場を確保するのが難しいという点は中国も同様といえるだろう。4つ目は「ゴミ捨てが楽なこと」だ。中国では日本と違い、いつでも好きな時に捨てることができ、粗大ゴミの場合、日本では有料で引き取ってもらう必要があるが、中国では売ることができるので、日本人にとっては魅力的だろうと推測した。

 5つ目は「中国の野菜は比較的安いこと」だ。食料自給率が低い日本は野菜なども輸入しており、中国のほうが安いのは当然だが、中国の場合は「安全性」に疑問符がつく点は問題だ。6つ目は「仕事が楽なこと」。日本の職場は就業態度に厳しいが、中国では私用で抜け出すことも、会社の電話を私用で使うことも自由だと気楽さを強調した。

 中国が好きで好んで滞在する日本人ももちろんいるだろうが、実際のところは多くの日本人が仕事などを理由に、やむを得ず滞在しているのではないだろうか。それでも記事が指摘しているとおり、中国の生活にも少なからぬ利点があるというのは興味深い点だ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)