無免許のうえ初めて車を運転し男性をはね死亡させたとして、未熟運転致死などの罪に問われていた少年の裁判で大阪地方裁判所は少年に刑事処分を与えず、家庭裁判所に移送する決定を出しました。
去年8月、兵庫県尼崎市で起きた死亡ひき逃げ事件。
当時16歳の少年(17)は無免許のうえ初めて車を運転し、肥後勇さん(当時80)をはね死亡させ逃げたとして、未熟運転致死の罪などに問われています。
おととし、悪質な事故の罰則を強化した改正法が施行されてから、未熟運転致死罪での起訴は全国で初めてです。
検察側は少年に懲役4年から8年の不定期刑を求刑し、弁護側は家庭裁判所による保護処分を求めていました。
大阪地裁の伊藤寿裁判長は「車を運転してみたかったという動機は安易かつ幼稚だが、反社会性が強く理不尽とまではいえない」と指摘。
その上で「謝罪を述べるなど更生の余地がある」として、少年に刑事処分を与えず、家庭裁判所に移送する決定を出しました。
【肥後勇さんの長男・剛さん(50)】
「結果を受け入れることは到底できませんけども、そういう判断になってしまった。被害者の遺族も、きょうで被害者になりました。心のダメージがものすごいです」
今回の決定に対する不服申し立てはできず、少年は今後、家庭裁判所で審判を受けることになります。
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