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交際経験ゼロ 恋愛を学びたい

若者が恋愛に消極的だと言われる時代。それはデータの上でも示されています。独身で交際相手がいるという人は男女とも大幅に減少。交際経験のない人も多くなっています。そんな中、恋愛のしかたをお金を払って学ぶ動きが出てきています。

交際相手のいない若者増

明治安田生活福祉研究所がことし3月、インターネットを通じて行った調査では、独身の20代から30代の男女1200人のうち「交際相手がいる」と答えた人の割合は、男性が5人に1人。女性もおよそ3人に1人です。8年前は、男女とも半数近くに交際相手がいましたから、大きく下がる結果となりました。

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また、20代から40代の男女1400人のうち「交際経験がない」と答えた人も男性の4割、女性は3割近くにのぼりました。恋愛離れは加速しているように思えます。

恋愛は学ぶ時代?

そうした中、恋愛のしかたを教える講座が登場し利用者が増えています。7月中旬、東京都内で開かれた恋愛講座には、20代から50代の男性、およそ60人が集まりました。講師は自治体が開く婚活イベントなどで活躍しているアドバイザー。半年間かけて、コミュニケーションのとり方からデートコースの選び方、そして家族と幸せに暮らすまでを学びます。

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受講料はおよそ32万円。この5年間で参加者は年々増え、これまで300人以上が受講したということです。
参加した人は「恋愛を直接学べる機会はほとんどないので全然安いと思う」などと話していました。
主催している日本婚活教育協会の佐藤友和さんは、「交際経験がゼロという方が結構います。女性とうまく話せない、自分の意見を伝えられない。だからこそデートでもうまくいかない、結婚に至らない、という方が多いですね」と話していました。

恋愛を学ぶ前は・・・

私たちは、講座に通っている会社員の岩田智さん(41)(仮名)を訪ねました。20代の時、恋愛で傷ついて以来、交際経験はありません。交際相手を探すサイトに登録しましたが、会う前に年収などではじかれることも多く、自信を無くし、恋愛をする”資格すらない”と思うようになったといいます。
岩田さんは、少し前の自分について「ほかの人からのネガティブな感情を受けたくなかったんです。だからシャットアウトしたほうが早いし楽だという発想になっちゃったんです」と語っていました。

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岩田さんが休日に時間を費やしてきたのは音楽。何種類もの楽器を独学で学びましたが、バンドも組まず、部屋で1人、演奏を楽しんできました。

親に心配され一念発起

ところが、去年の年末、帰省した際に両親から「いつまでも独り身では不安だ」と言われたといいます。しかし、相手を探そうと思っても一人では踏み出せず恋愛講座に通い始めたのです。講座でメモしたノートを何度も読み返し「女性に笑顔になってもらうにはその人が楽しいと思う話題作りに努める」などと復習しています。

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岩田さんは講座でアドバイスを受ける中で、これまで人に話すことがなかった音楽の知識も、会話の糸口になるなど、自分の“強み”だと思えるようになりました。ファッションにも気を配るようになり「夏はポロシャツがいいということだったので、買いに走りました」と話ながら新調した服を見せてくれました。

恋愛の実践 “合コン”も

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そして7月中旬、岩田さんは新しいポロシャツを着て、恋愛講座の一環として企画された合コンに向かいました。岩田さんは近くに座った女性に、「きょうは上げ膳据え膳で」などと話ながら料理を取り分けるなど、教わったことを実践し、女性たちに気を配っていました。

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恋愛は互いを知ることから

その途中、趣味が音楽だという女性と隣になりました。会話をはずませるチャンス、だったのですが…。岩田さんは「音楽ってだいたい4分の4拍子なんですよ、1,2,3,4。8分の7っていう変拍子…」などと専門的な話をしてしまいます。
そのとき、講師が岩田さんを会場の端に呼び出し「一方的に話すのではなく、女性がふだん聴いている曲やどのようなライブに行ったかなど、女性の話を引き出すとよい」とアドバイスしました。 席に戻った岩田さんは、共通の話題を探すことに切り替え最後は連絡先も交換できました。
岩田さんは、「恋する気持ちがわいてきたんじゃないかと感じます。お互いがお互いのことを知ろうとすること自体が恋愛の始まりではないかと思いました」と話していました。

女性の恋愛は?

女性の恋愛にも、課題があるといいます。自治体や大学などで恋愛や結婚についての講演を行っている婚活アドバイザーの植草美幸さんに最近の傾向を聞きました。
植草さんの結婚相談所に最近多く来るのは、キャリアを重ね収入も高い女性だといいます。そうした女性は、男性と話す時でも、張り合うように接してしまい恋愛の機会を逃しているといいます。

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植草さんは「仕事で闘ってきていますので、男性が目の前に座ると、お見合いの場でもそこがリングになってしまいます。相手の言葉に対して『そうじゃないと思うの』と強く言うなど競争してしまう傾向がある」と分析しています。

価値観が恋愛を難しくする

さらに女性たちの恋愛を難しくするのが、男性に対する価値観です。
会社を経営する年収1000万円以上の41歳の女性が相談に訪れました。男性に望むのは、自分と同じかそれ以上のキャリアや収入です。しかし、国の統計では、未婚の男性で年収が1000万円を超えるのは全体の1%ほどです。

現実知り意識を変えて

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植草さんは男性に求めるものを考え直さないと恋愛のチャンスは訪れないとアドバイスします。植草さんは、「たとえば、年収はちょっと低くても、自分がばりばり仕事をしているわけだから、先に帰って家事をやってくれる男性もいいのではないか。男性を見る視点が変わってくると、いろんなご縁がたくさん増えてきます」と諭すように話していました。女性は、アドバイスを受け、「これまで自分が思ってきた男女の役割分担が、逆になるような家庭のパターンもありかなと思います」と話していました。

取材を通じて

取材した男性は、恋愛に一歩踏み出そうとしたことで、コミュニケーションのとり方や行動、それに考え方も大きく変わっていきました。それが恋愛が持つ力だと思います。恋愛をどう学ぶのか。自分で経験をしながら学んだり、恋愛講座で学んだり。これからはさまざまな恋愛の学び方が出てくる時代かもしれません。

牧本真由美
報道局
牧本 真由美 記者