久しぶりに、銀行員に潜入。
と言いながら、毎日しっかり働いているのですが。
今日は、“男”って話を。
銀行員のカバンは、とても重いです。
特に、ぼくの鞄は格別。
なにを、そんなに入れてるのか?って、
聞かれてないけど教えます。
・タブレット(お客様の情報を見るため)
・持ち運びプリンター(手書きでいいだろ)
・業務用ケータイ(電池が全然もたない)
・電卓やら小物(たまに忘れる)
・伝票関係(何枚あるんだってぐらいの種類)
・チラシ(ロビーに捨てられてたら悲しい)
・投資信託のパンフレット(いちばん重い)
・汗ふきタオル(これだけは忘れない)
ざっと、こんなかんじ。
ぼくは営業に出てすぐ、
営業カバンの重さで、見事に背筋を痛めました。
軽い気持ちで、カバンを持ってはいけません。
あっ、なんだかややこしい。ごめんなさい。
そんなカバンを抱えまして、自転車にまたがってお客様の家を訪問するわけであります。
(この自転車について、衝撃の事実がわかったのですが、それは8マス目で)
いつものお客様の家へ。
すこしだけ、腰の曲がった独り暮らしのおじいさん。
夏場だし、
「熱中症を気をつけてくださいね」ってのを伝えたり、他の話をしたり。
普段は、1人で周っているのですが、
その日はサポートで先輩と一緒に訪問しました。
明るくてきれいな女性の先輩。
ちなみに、ぼくは、
陰気で汗だくの営業です。
かなしいかな。
いつもよりテンションの高い、
78歳のおじいさん。
あれっ、よく見れば、腰もすこし伸びてるぞ。たぶん。
大きな声で話をしている。
ぼくも話に参加する。
楽しい時間(誰にとってか)は、
あっという間で帰ることに。
そしたら、おもむろにお客様が一言。
「いっかい、そのカバンを持ち上げてみるわ!」
えっ。
うーん。5キロ以上はあるぞ。
もし、お怪我なんかされた日にゃ、
ぼくは何と言って上司に怒られたらいいんだろう。
『実は、お客様に営業カバンを持たせたら腰を痛められまして…』
なんで持たせるねん!って怒鳴り声が聞こえてきそうです。
なぜ、こんな事態になったか。
理由はひとつ。
「きれいな女性に、いいとこ見せたい」だろう。
結果はこう。
・ぼくが殿様に刀を差し出すかのように、カバンの底を支える。
・先輩が「すごい」って言う。
・お客様が満足して、カバンを離す。
・ぼくの指が悲鳴をあげる。
いいんだ。いいんだ。
怪我なく終わってよかった。よかった。
ぼくの指がなんだっていうんだ。
そんなことよりも、
気づけたことがあったから良かったのだ。
いくつになっても
男は女にいいところを見せたい生き物
なんというか、
人間味があって、すごく嬉しい気持ちになれた。
おじいさんになっても、関係ない。
何歳になっても、
どんな状況でも、
【かっこつける】ことを忘れたらダメだ。
自分の祖父が、
最期の瞬間に見せた、心の強さを思い出した。
ぼくが家に帰ってくるまで、必死に生きて、会えた瞬間に息を引きとったあの日を。
あれは、【かっこつける】ためだったと勝手に思ってる。
在宅介護をしてるぼくに、
弱い姿を見せるのを悔しがってたから。
うん。
しみったれた話になってしまった。
本当は、男は何歳になっても【スケベ】ってことを書こうと思ってたのに。
エロパワーは消えないってことを、
伝えようと思ってたのに。
夕方は、すこし涼しい。
海の風が、ここまで吹いてくる。
「あのお客さんは、まだまだ元気だろう」
そう思いながら、きれいな女性の先輩と、
いつもの支店へ帰ったのである。
帰り道、ぼくのテンションはいつもより高い。
なぜって?
あぁ、きれいだなぁ。
空。
つづく。