放送内容
シリーズ戦後71年。第2夜は、聴覚障害のある番組ディレクター(35)が、先輩“ろう者”のもとを訪ね、太平洋戦争証言を掘り起こします。
聞こえないため、兵隊になれなかったろう者は、戦力にならない「穀潰し」と蔑まれ、家族からは手話を禁じられました。さらに、小学生の身で学徒動員させられたろう者も。教育の機会を奪われ、文字の読み書きができないまま成人に。戦後も苦痛を強いられた―。しかし、こうした史実は、今までそう多く語り継がれてきていません。まともな人間関係を得られず、かつ、不就学のため、言いたいことを具現化できずに育ったろう者が多くいるためです。兵庫にある特別養護老人ホーム「淡路ふくろうの郷」では、高齢ろう者の「意思疎通支援」に取り組み、内に眠っている体験を引き出す試みを続けています。活動をとおして、ようやく今、少しずつ、壮絶な経験が明らかになってきています。
戦争によって、“人生”を翻弄された、ろう者たちの証言・史実から、本当の平和とは何かを考えます。