「コピー天国」の中国で普通の中国人が脱北者になりすますための「偽脱北者」養成班が運営されていることが2日までに分かった。欧州各国は脱北者を難民認定し、居住権と補助金を与えており、それを狙った一部中国人を脱北者に仕立て上げるための養成機関があるというのだ。
中国の北朝鮮関連筋によると、北京で韓国人が多く住む望京地区には中国国籍者を脱北者に偽装させる養成班が2カ所あるという。韓国語ができる朝鮮族や漢族を対象に北朝鮮に関する知識を教え、脱北ストーリーをでっち上げ、欧州の脱北難民審査をパスできるように支援するのだという。
「偽脱北者」として欧州への定着に成功した一部中国人は毎月数百ユーロの補助金と医療保険などの待遇を受けているという。欧州各国は以前、脱北者が「中国による強制送還が怖くて欧州に来た」と言えば、大半を難民として認めたが、最近は脱北難民に対する審査を厳格に実施しているという。
同筋によると、脱北者養成班では北朝鮮国内のブローカーと組み、咸鏡北道の茂山鉱山、会寧市の機械工場などで働いていたとする身分証などを偽造するほか、欧州側が審査で尋ねる北朝鮮の現状などについても教えているという。偽脱北者が欧州で難民認定される一方、本物の脱北者が北朝鮮の身分証を所持していないなどの理由で追放されるケースも出ている。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、昨年全世界にいる脱北難民は13カ国に約1100人だ。難民審査を待っている脱北者も約230人いる。脱北者を最も多く受け入れているのは英国(622人)で、フランス(146人)、カナダ(126人)、ドイツ(104人)、ベルギー(66人)、オランダ(59人)などの順となっている。米国に定着した脱北難民は22人にとどまる。
韓国政府関係者は「韓国にも脱北者を偽装した華人がやって来ることがある」と話した。北朝鮮の人権問題に取り組む団体の関係者は「国際社会が偽脱北者を識別するために努力し、本物の脱北者が被害を受けないようにしなければならない」と指摘した。