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天皇のご意向というものが、たとえば政府を動かすということになると、憲法に触れる可能性もある。

2016年08月04日 | 政治

天皇のご意向というものが、たとえば政府を動かすということになると、
政治にはかかわらないという大原則から、憲法に触れる可能性もある。


2016年8月4日 木曜日

佐藤優が斬る!「天皇陛下『生前退位』リーク報道は、ココがおかしい」 7月29日 佐藤優 現代ビジネス

野村邦丸(以下邦丸): 昨日(7月14日)も伊藤惇夫さんにお話をしていただいたんですが、なるほどなと思うのは、天皇のご意向というものが、たとえば政府を動かすということになると、政治にはかかわらないという大原則から、これは憲法に触れる可能性もある。

佐藤優(以下佐藤優): 完全に憲法に触れています。

邦丸: はい。

佐藤: それから今回、話が完全におかしいです。

邦丸: どこが、おかしいのでしょうか。

佐藤: どうしてかというと、宮内庁長官も宮内庁次長もその日のうちに「陛下は憲法上、制度や国政に関する発言はしていない」「生前退位について官邸と相談しているということはない」と否定していますよね。この否定記事は朝日新聞には小さく出ていましたが、ほかすべて、「ご意向がある」ということが一面に出ているんですね。その場合は、ニュースソースを明示しないといけないんです。

邦丸: はい。

佐藤: それを明示せずに「宮内庁関係者」としている。宮内庁は組織ですよね。組織は一体で、その最高責任者が「発言はしていない」「相談しているということはない」と言っているのならば、新聞各紙は「ない」ことを一面で報じていることになるわけですよね。

その場合は情報源が「宮内庁関係者」という匿名ではダメなんです。なぜかというと、宮内庁の長官が「否定していること」が事実だ、宮内庁長官はウソをついている、とすべての新聞が報じていることになるわけですから、その根拠となる情報源が匿名の下に隠れてはいけないんですよ。

佐藤: 私は宮内庁長官や宮内庁次長がウソをつくことはないと考えています。ただ、宮内庁にはもう一つのルートがあるんです。いわゆる奥の院と言われている侍従長です。

邦丸: はい。侍従長というのは陛下のすぐそばにいつもいらっしゃる。

佐藤: そうです。表には出てこないことになっている現在の侍従長は、元外務事務次官の河相周夫(かわい・ちかお)さんです。長官と次長が「否定していることが事実ではない」というのなら、新聞はその裏を取らなければ記事にはできません。少なくともこの侍従長に当てて、実名でそれを書かなくてはいけないんです。

邦丸: なるほど。

佐藤: そうじゃないと、たとえば仮に「どうやら憲法改正のご意向があられるようだ」という形のニュースがどこからともなく宮内庁関係者から出るとする。そして宮内庁長官と次長がそれを否定しているとする。しかし、本当はそういうご意向があるんだということで憲法改正に動くとは考えられないわけですよ。

いわゆる天の声をこういう形で出すことで物事を進めようとしているのは、今の一部の宮内庁の人たち──つまり、外務省出身の人たちの動きだと思いますけれど、国家の民主的な統制からすると、ものすごく違和感がありますね。

陛下は内閣の助言と承認によって動かれるんですけれども、もし、憲法改正のご意向を持っておられるんだったら、内閣が責任を持って、宮内庁長官の会見で「陛下には、ご意向がある」として、それを踏まえて内閣の立場として菅官房長官が説明すればいいんです。

ですから、ご意向を示してもらう機会は、内閣が内閣の意志でつくる。それができるはずなんです。しかし、なぜ、これがリークで始まるのか。

また、なぜ宮内庁長官と次長が公式に否定していることが新聞のトップニュースになって、それが事実として動いていくのか。私はここのところで新聞の倫理が問われたと思います。新聞の人たちはニュースソースを知っているわけですから。

宮内庁長官が「ノーコメント」とか「公には申し上げられません」と否定していないのだったらいいんですが、明確に「そのような事実はない」と言っているんですから、「ない」と言っていることを「ある」と報道したことに対して、誰も違和感を覚えないということは、マスコミが政府に「ウソをついても構わないんですよ」と言っているのと同じことなんですよね。

 なぜニュースソースを明かさないのか?

邦丸: 陛下が周囲に生前退位のご意向をもらしていらっしゃるという、その「周囲」というのは、たとえばの話、今の侍従長さんということなんですか。

佐藤: わからない。

邦丸: これはわからない。

佐藤: しかし、マスコミは、こういう重要な問題は宮内庁長官と宮内庁次長のほうに聞いて、もう一方の重要なポスト、つまり侍従長に公式な見解を求めないというのはおかしいんです。

宮内庁長官と次長が「違う」と言っている以上は、そういう話は「ない」ということですよね。これは、政府の立場、国家の立場ですね。われわれは納税者です。われわれは国民の知る権利を持っていますが、それは「真実」を知る権利なんですね。「生前退位のご意向もないし、検討もされていない」というのが政府の立場だったら、それが真実のはずなんです。(後略)



(私のコメント)

天皇陛下の生前退位のニュースは、都知事選挙の公示日に行われましたが、宮内庁長官と次長はこれを否定している。しかしマスコミは既定の事実として報じているが、どこからそのニュースが出たのかが分からない。出所不明のニュースが既定の事実として報じられても、戸惑うばかりだ。

確かに天皇陛下は非常に高齢であり、生前退位の意向を漏らされても不思議ではないが、誰が天皇陛下の意向を聞いたのだろうか? それとも誰かが勝手に言いふらしてマスコミ各社が、天皇陛下がそう言ったと報じているのだろうか?

誰かが勝手に天皇陛下の御意志だと勝手に言って、言いふらしているとすれば由々しき問題であり、天皇の名のもとに政治を動かそうと言う時代錯誤な動きがあるのだろうか? 確かに戦後皇室典範が在日米軍に勝手にいじくり回されて変えられてしまいましたが、天皇陛下は元首なのかもはっきりとは分からなくなってしまった。

皇室典範の問題としては女系天皇の問題が一時話題になりましたが、宮家も戦後に大幅に減らされてしまった。その為にいずれ男子の継承者がいなくなるといった問題が出て来た。「株式日記」では天皇家に男子の養子を迎えて継承すればいいと書いた覚えがありますが、皇室典範の改正が必要になる。

幸い秋篠宮家で男子が誕生してひとまず収まりましたが、いずれ皇位継承問題が起きるだろう。将来、女性天皇を認めるかどうかも論争が起きるだろう。このような問題も、天皇陛下の生前退位の問題とからまってくる。しかし生前退位が認められれば、上皇と天皇の対立問題が起きる事が出て来るだろう。

また、天皇陛下の御意志であると勝手に語って、政治を動かす事があってはならない。マスコミは天皇の生前退位発言が既成事実のように報じているが、天皇陛下御自身の記者会見でそれが否定されれなどう責任を取るのだろうか。あるいは生前退位の意思が陛下御自身の口から語られても、今度は宮内庁長官や次官の発言が嘘であったことになる。

このように出所不明のニュースが、テレビ新聞の各紙が一斉に報じる事には違和感を感じますが、佐藤優氏もおかしいと指摘している。本来ならば天皇陛下御自身の記者会見の席で述べられるべき話であり、誰かが勝手に流したのならば将来的に大問題となるだろう。天皇陛下の御意志として勝手に報じてしまえば政治がそれで動かされてしまう。

女系天皇の問題にしても、勝手に誰かが天皇陛下の御意志だとしてマスコミに流して皇室典範を改正するかもしれない。そして天皇ご自身の口を封じてしまえばどうにでもなる事が考えらえる。だから誰が生前退位の御発言をマスコミにリークしたのか問題になる。


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5 コメント

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Unknown (以後「謝罪教徒/お皿帽」と呼ぶ)
2016-08-04 12:52:01
Q 祭祀までお出来になり、絵画展などまめにお出歩きの天皇陛下が、何故「疲れた」を理由に生前退位なのか?

回答 宮内庁としては生前退位は、認識していない。

Q だったら、NHKに抗議はしたのか。

回答 答えられない。

Q NHKの一職員が首までかけて、リークを報道したということはそのリークした者に宮中の大物がからんではいないか。リークした本人は前侍従長だと思うが。そしてリークするよう手配したのは皇后陛下ではないか。皇太子の速やかなる即位と、女帝擁立は小和田恒氏も画策なさっていると思うが、さすがに小和田氏がそこまでやれる力はないと思うので皇后陛下だろう。

回答 答えられない。

Q 国営でこそないものの、公営で全国津津浦浦どころか海外にまで電波が及ぶNHKをリーク対象に選んだことに、作為を感じる。明らかに最も効率的に広まることを狙っての意図的リークではないか。

回答 答えられない。
http://blog.goo.ne.jp/inoribito_001/e/fccee898fac48f4b7745dcc76810b14e
スレ違いかもですが、速報みたいな (Unknown)
2016-08-04 13:10:40
出鱈目体制の問題山積の豊洲市場にも関わっていることがこれから公開のもとにさらされるようです

>内田茂の息子と利権問題「都政の闇」を週刊文春がぶった切る
http://mikarin1215.com/seijika/8770/

~内田の闇築地市場の移転予定先、2010年といったらちょうど内田氏が落選した期間です。
この期間にもちゃっかり地元千代田区にあった東光電気との関わりを役員に収まって毎年数百万の役員報酬を受けています。

それと同時にそれに見合った?それ以上の仕事(報酬)をこの会社にお自分にも得ているのです。

それが今年1月に落札された「有明アリーナ」バレーボール会場。

「オリンピック・アクアテクスセンター」競泳の施設工事を落札。

当初の予定7300憶円から大幅に予算が膨らみ今や2兆、3兆。

小池さんの街頭演説で「お豆腐屋さんじゃないんだから~」
は、まさにその通り・・・
上手い事言ったもんです。

この五輪施設の3つの新築施設のうちこの2件を東光電気の JVが落札している。

ちなみにこの東光電気が落札したのは東京五輪会場に留まらず、こちらも未だ問題視されている豊洲新市場の 都が発注する建設も受注しています。~

<汚職の宝石箱や~!当然刑事告訴は当然のなりゆきです


暴走 (kashin)
2016-08-04 14:04:48
勝手に天皇陛下の御意志だとして、天皇ご自身の口を封じて好き放題に走る。
この国の腐敗した知識人どものいつものパターンでつね。
戦中の軍人どもがそうだった。
Unknown (M)
2016-08-04 14:45:00
第一報はNHKで、否定報道が出てNHKやらかしたなぁと思ったものですが・・・なにやら雰囲気が違う。

NHKが報じて他が続いた形になったわけですが、何が動いたんでしょうね?
メディアの韓国ブームもこの流れでした。
大きな物が動かないとこの流れにはなりません。
Unknown (Unknown)
2016-08-04 14:48:44
韓国人学校の工事にも関係しているのだろ。国賊

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