2016年8月6日(土)に3D、2Dで映画化される
「ルドルフとイッパイアッテナ」
引用 公式サイト
実は、子供の心を強く育てる名言がたくさん詰まっているんです!
小さい頃、よく親に読んでもらったのを思い出します。
その頃はただただ聞いていただけだったのですが、
大人になった今思うと、知らないうちに自分の心を育てていた
この本の名言は深いなぁと感じます。
その深い、心を強くする名言を映画の内容と合わせて書き出します。
映画を見ながら、あの場面だ・・・と思い浮かべていただけたら幸いです。
あなたの心にも届きますように。
楽しいことも辛いことも、たくさん経験してきた百戦錬磨のボス猫が、
無垢で純粋な小さな黒猫に、強く生き抜くための術を教えていくという内容。
その様々な場面で、小さな黒猫ルドルフに対して放つ言葉はとても心に刺さります。
もくじ
「こわいから、ししゃもを置いていくんだ。」
ルドルフがボス猫イッパイアッテナと初対面するシーンで、ルドルフが言うセリフ。
ルドルフが持っているシシャモを寄こせと凄む場面です。
イッパイアッテナ「そんなでけえ口たていて、おめえ、おれがこわくないのか。」
ルドルフ「こわいから、ししゃもを置いていくんだ。それで文句はないだろ」
怖いからししゃもを置いたんです。
正直な返答すぎますよね。
それ以上の追い討ちをかけようってもんなら「漢」ボス猫のプライドがズタズタですよ。
人が生きていく上で、自分より力があるものに虐げられることもあるでしょうね。
そんな時は、自分の気持ちに正直になることも大事だと、怖がるのは恥ずかしいことでないと教えてくれます。
「黒ねこが縁起が悪いなんて迷信だ。そんなことをいまどき信じるのは、教養がねえしょうこさ。」
それから、いつも二匹は一緒にいるようになりました。
イッパイアッテナは今まで生き抜いてきた経験から
食料を調達する術に長けているんです。特に人間たちから。
美味しいシチューをもらうために向かった小学校の給食室で、
黒猫のルドルフはおばさんに「縁起が悪い」と言われてしまうんです。
「あれ、きょうはへんなチビもいっしょだよ。ありゃ、まっ黒なねこだ。黒ねこだよ。いやだね。えんぎが悪いよ。」
-中略-
「ほっとけよ。なんていわれたっていいじゃないか。黒ねこがえんぎが悪いなんて迷信だ。そんなことをいまどき信じてるのは、教養がねえしょうこさ。」
ここです。
この作品の中で、イッパイアッテナは「教養」という言葉をたくさん使います。
ストーリーを読み進めていけばわかってきますが、この教養には、たくさんの意味が込められているのです。
なんの根拠もなく、迷信で他人を判断するおばさん。
そういう人をここでは「教養がない」と言っています。
迷信などに惑わされず、物事を判断できる「知識」を身につけることが大事!
という、メッセージが読み取れます。
ここで、ちょっとおもしろいと思ったポイント!
子供向けに作られているであろう、この作品。
「この物事を判断できる力を付ける」という意味を読み取ってほしいのはわかるのですが
人によっては、サンタクロースなど夢や希望が詰まった迷信を思いっきり否定してるんじゃ・・・
なんて思ってしまう方もいるかもしれませんね。
ここではこういった夢などのお話ではなく日常に溢れていることについて言ってくれています。
知らない人が「ちょっと送ってってあげる」と言ってきたときに正しい判断をしよう!など
人に流されない力を付けることの大事さをイッパイアッテナは言ってるんですね。
「ことばを乱暴にしたり下品にしたりするとな、自然に心も乱暴になったり下品になってしまうもんだ。」
ルドルフは、ブチ猫のブッチーと知り合い友だちになります。
そのブッチーからイッパイアッテナの武勇伝を聞きます。
中でも、イッパイアッテナが野良犬たちと大立ち回りをしたときの捨て台詞は、ルドルフの心を掴んで離しませんでした。
口ほどにもねえやろうだぜ。二度とこのへんをうろついてみろ。
今度は両耳ちょんぎって、ドラえもんみてえなツラにしてやるから、そう思え!」
そう言い終わるか終わらないかのうちに、いきなり、イッパイアッテナの手がとんできた。
バッチーン。
「な、なにするんだよ。」
「なにするんだよじゃねえ、どこでそんなことば、覚えてきたんだ」
「このセリフは、あんたが言ったセリフだぜ。」
-中略-
「ルド、おまえ、このごろ、言葉がきたなくなったんじゃないか。
そりゃあ、俺といつもいっしょにいるから、半分は俺のせいかもしれない。
でも、なんでもかんでも、俺のマネをすりゃあいいってもんじゃない。
ことばを乱暴にしたり、下品にしたりするとな、
自然に心も乱暴になったり、下品になってしまうんだ。
おまえ、いつか家に帰りたいんだろ。飼い猫にもどりたいんだろ。
そんな下品になっちゃったねこを、おまえのリエちゃんが喜ぶとでも思ってるのかよ。え、どうなんだ。」
反抗期だったころの自分が、母親や父親、祖父、祖母に向かって「お前」と言ってしまい、
玄関から放り出され鍵を閉められ、反省するまで入れてもらえなかったことを思い出します。
「お前」という言葉は刺激が強いものと小さいころは感じてしまうのかもしれません。
ちょっとカッコイイともとれるじゃないですか。
言葉や表現一つで、様々な争いが起こりますし、逆に終わらせることもできます。
小さなことでも、ケンカは「ごめんなさい」の一言で胸がぎゅーっとなって、
でも、その一言で仲直りできるんです。
それぐらい言葉というのは大事なので、ルドルフが安易に汚い言葉を使ったことが、
イッパイアッテナには許せなかったんでしょうね。
イッパイアッテナはこう続けます。
そうそう安っぽく使うもんじゃないし、用もないのに、軽はずみに、
口に出していいってもんじゃないんだ。
ハッタリで使ったりしてはいけないんだ。
あれは、俺が犬とわたりあったときにいったセリフだ。
あいつだって、好きで野良犬やってたわけじゃないだろう。
わかるだろ、ルド。」
ぼくはだまってうなずいた。
「わかればそれでいい。ぶったりして、ほんとうに悪かったな。」
ただ怒るのではなくわかるように説明し納得をしてもらう。
そして、しっかり自分の過ちも詫びる。
子育ての本質が、ここに詰まっている気がしますね。
「ちょっとできるようになると、それをつかって、できないやつをバカにするなんて、最低のことだ。」
ますます仲を深めるルドルフとイッパイアッテナ。
そしてついに、イッパイアッテナが人間の字(日本語)を読み書きできることが判明します!
これはすごいですねw
本を読んだり、砂場で字を書いたりして勉強を続けるうちに、ルドルフも字が書けるようになります。
友だちのブッチーに人間の字を勉強していることをからかわれるのですが、ブッチーが字を読めないことをいいことに、
色々とディスるとでも言いましょうか、そんな言葉を書くルドルフ。
ちょっと性格悪いと思えてしまいます。
しかしそんなルドルフを、またまたイッパイアッテナが教育します。
字が読めないブッチーをからかっていただろう。
ああいうことをしてはいけない。
俺は、ああいうことをさせるために、おまえに字を教えたんじゃないからな。
ちょっとできるようになると、それをつかって、できないやつをばかにするなんて、
最低のねこのすることだ。教養のあるねこのやるこっちゃねえ。」
人間一つや二つ心当たりはあるんじゃないでしょうか?
自分の知識を見せびらかして「こんなこともできないのか」と優越感に浸る。
相手は嫌な気持ちでいっぱいでしょうね。
逆をされたら自分も嫌な気持ちになるのにそこでは気づけない。
そんな優越感に、なんの価値も無いってことをイッパイアッテナは教えてくれます。
彼が口にする教養というのは、知識の他にも、心の持ち方を指す言葉でもあるようです。
この優越感を乗り越えて、知らない人にやさしく教えることができると心の成長につながると思います。
「おまえといっしょにいると、心があらわれるような気持ちがするぜ」
ひょんなことからルドルフは、
自分が昔住んでいた街が「岐阜」だということを知ります。
そしてとうとう商店街から岐阜行きツアーの観光バスが発車することを突き止めるのです。
いずれ来る別れを予感していたのでしょうか。
イッパイアッテナはルドルフをこう評価します。
最初は柄にもなく同情して、めんどうを見てたんだけどな。
そのうち、おまえってやつが好きになってな。それで、一緒に暮らしてるってわけだ。
おまえは、いつでも明るくて、ほかのやつをおしのけて、
自分だけいい思いをしようってところが全然ない。
おまえと一緒にいると、心が洗われるような気持ちがするぜ」
イッパイアッテナからの、ルドルフに対する素直な気持ちをストレートに言ってますね。
このセリフに、作品の良さが全て詰まっていると思います!
ここまでのストーリーで、読者の子供たちは
イッパイアッテナってすごい猫だなぁ~♪
って思うんじゃないでしょうか?
だって、人間から食料を調達できる、ノラ犬たちと喧嘩する、そしてルドルフを優しく教育したりとで色々なことができて
だれが見ても「イッパイアッテナってすごい!」っと思いますから。
そんなすごいイッパイアッテナのルドルフへのセリフ。
ドストレートな賛辞のメッセージ。
明るくて正直なルドルフの性格を無意識に肯定できますよね。
子供は明るく!子供は正直に!そんな言葉まんまを子供に言ってもうまく伝わらないことを
ルドルフとイッパイアッテナという二匹を通して、うまく読者の心に伝えていると思うのです。
「護身術っていうのは、自分の身を守るときにしか使っちゃならねえんだ」
ルドルフの岐阜への出発が迫ったある日、
ブッチーがイッパイアッテナに護身術を習いたいというやりとりがありました。
護身術というのは、ケンカと何が違うのさ、というルドルフの問いに対して、
だがな、なんというか、その、つまり、精神がちがうってことだ。
護身術っていうのは、自分の身を守るときにしか、使っちゃならねえんだ。
そうだ、ブッチー、おめえも、そのへんのところを、よくこころえといてもらわねえとこまるぜ」
と答えるイッパイアッテナ。
自分から人を傷つけてはいけない。
そして、自分や大切な人を守る力を持たなくてはいけない。
子供たちにはこの感覚を早く身につけてほしいと思います。
ケンカするほど仲がいい。。。
そんな言葉があるように、ケンカすることで伝わるものもあるかもしれません。
しかし、そのケンカも元を辿れば暴力です。
本来はこの作品を通して傷つけてしまう前にわかったほうがいいですが、
なかなか伝わらないもの。
相手を傷つけてしまったら、そこから何かを感じ取れる人間になってほしいと、深く読み過ぎかもしれませんがそう感じました。
そしてクライマックスへ
ここからのクライマックスは、とてもとても熱い友情にあふれた展開となっています。
ぜひ子供と一緒に読んでもらい、そして、感じ取ったものを共有してほしいと思います。
名言はほんの一部。
これ以外にも様々な意味が読み取れる部分が沢山あります。
子供が読んで感じたものと、大人が昔を思い出して再度読み感じたものと
見え方が違うはずです。
もし、子供がケンカか何かで
「両耳ちょんぎって、ドラえもんみてえなツラにしてやるから、そう思え!」
なんて言ったら、しっかり怒ってくださいね。
この作品や生活の中から学び取れなかったことをきちんと教えるのは親の役目です。
怒られた子供が大人になり、またこの物語に巡り合う。
そしてその子供がこの物語と出会う。
名作「ルドルフとイッパイアッテナ」は、子供に絶対読ませたい必読書です^^
【ルドルフとイッパイアッテナ】
斉藤 洋, 杉浦 範茂 | 本-通販 | Amazon.co.jp
●こちらも合わせてお読みください
ルドルフとイッパイアッテナ映画化!あらすじと期待、予告動画で予習 僕らはそれでも前を向く
ルドルフとイッパイアッテナ映画化!気になる声優さん・キャストは?
ルドルフとイッパイアッテナ映画化!主題歌は黒猫にピッタリなあの曲!
ルドルフとイッパイアッテナ映画はいつから?前売り券を買ってフワフワマスコットグッズを手に入れよう!