今月1日には野党「国民の党」執行部がTHAADの配備される慶尚北道星州郡まで出向いて配備反対を叫んだ。野党は中国の顔色をうかがって反対しているが、現地では電磁波におびえる住民感情を悪用している。野党第1党「共に民主党」も代表候補者たち全員がTHAADに反対しているため、8月末の党大会が終われば国民の党に加勢してTHAAD反対に回る可能性が高い。またTHAADに反対する同党の当選1回の議員4人は近く中国を訪問する予定だという。つまり彼らは最初から中国の宣伝役を自ら買って出ようとしているのだ。一方で彼らの口から北朝鮮の核やミサイルにどう対処すべきかという主張は1回も聞いたことがない。
中国の側に立ってTHAAD配備に反対する彼らは、その多くが政治的には韓国の現政権に反対する立場だ。しかし政治面で現政権との感情のしこりがあるとしても、国の命運が懸かった安全保障問題で対立する他国の側に平気でつくのは到底理解ができない。しかも彼らの中には中国が一日も早く何らかの報復に乗り出すことを期待するような声もある。政治的立場が国の命運よりも優先されてしまえば、国全体がたちまち危機的状況に追い込まれることさえ彼らは分からないのだろうか。