(水田)すみません!僕が常子さんをたきつけて広告を出そうと言ったばかりにこんな事に…。
(常子)水田さんのせいではありません。
決断したのは私ですから。
結局花山さんの心配していたとおりになってしまって…。
鞠子とはどうなんですか?えっ?ずっと気になっていたんです。
ひょっとして鞠子の事好いて下さっているのかなって…。
あっいや…。
実は…はいそうなんです。
そうでしたか。
ですが…。
鞠子さんに思いを伝えたんです。
えっ?それで?断られました。
会社が大変な時なのでと。
それがあくまでも建て前な事は鈍感な僕にでも分かります。
そうですか…。
ええ。
あっ誤解しないで下さい。
この会社に入りたかったのは鞠子さん目当てとかそういうのではありません。
この雑誌が掲げている理念に共感したからですから。
ありがとうございます。
では今日はこれで失礼します。
ご苦労さまでした。
(花山)もし豊かな暮らしを取り戻すきっかけとなる雑誌を作れるのなら…。
私となら…必ずできます。
・「普段から」・「メイクしない君が」・「薄化粧した朝」・「始まりと終わりの狭間で」・「忘れぬ約束した」・「花束を君に贈ろう」・「愛しい人愛しい人」・「どんな言葉並べても」・「真実にはならないから」・「今日は贈ろう」・「涙色の花束を君に」・「涙色の花束を君に」
(小鳥の鳴き声)
(鞠子)あ〜やっと起きた。
(美子)あ〜おはよう。
えっ2人とも何してるの?「何してるの?」じゃないでしょ。
朝まで帰ってこないから心配したんだからね。
あ〜ごめん。
考え事してたら寝ちゃってた。
もしかしてポワソン・ア・ラ・アメリカンって料理取り上げるかどうか?うん…。
どうしたもんじゃろのぉ…。
私たちは決めたから。
ん?私たちは社員としてとと姉ちゃんがあの料理を取り上げた方が会社のためになると判断するならそれに従います。
ありがとう。
(久)一体何の御用ですかな?はい…ポワソン・ア・ラ・アメリカンという料理につきまして直接お話ししたい事がありまして。
わざわざすいません。
それでいい記事になりそうですか?それが…。
社内で検討したのですがアメリカンは「あなたの暮し」で紹介する料理としてはふさわしくないという事になりまして…。
ご連絡が遅れてしまって大変申し訳ないのですがご希望に沿えません。
どういう事です?アメリカンを記事にできないというんですか?「あなたの暮し」は庶民の暮らしの役に立つ事を目標に創刊された雑誌です。
アメリカンという料理はあまりにもお金と手間がかかり過ぎるんです。
困りますよ。
松平さんは約束にとても厳しいお方だ。
もし約束を破ったら我が校の経営に影響する可能性だってあるんです。
そんな事なら広告はやめさせてもらいますがそれでもいいんですか?その覚悟で参りました。
読者のためにならない記事を載せてしまっては「あなたの暮し」の目的や私たちの思いを曲げる事になってしまいます。
あんたたちの思いなんぞどうだっていいんだ。
倒産間近の雑誌社が偉そうに。
調べはついてる。
我が校からの広告費がないと首が回らんのだろう?だったら私たちの言う事聞いた方がいいんじゃないのかね。
いえ。
お断り致します。
息子が珍しく張り切っとるから黙っていたが…。
最初から女社長の会社に期待などしてなかった。
出ていきなさい。
仕事の邪魔だ!今までお世話になりました。
ありがとうございました。
失礼します。
遅いですね常子さん。
水田さん。
はい。
さっき言いましたよね?とと姉を笑顔で迎えようって。
あ…すみません。
緑さんもお願いしますね。
(緑)はい。
ただいま帰りました。
(一同)お帰りなさい!皆さんにお話があります。
集まって頂いてもいいですか。
(一同)はい。
先方にこちらの気持ちを伝えてきました。
やはり広告の件はなしになりました。
そうですか。
よかったじゃない。
これですっきりしましたね。
そうですよ。
もう覚悟はできてました。
水田さんも緑さんも勝手に決めてしまってすみませんでした。
でも…。
やっぱり花山さんと「あなたの暮し」を初めに作った時の思いを踏みにじりたくなかったんです。
もちろんです。
僕も同じ気持ちです。
私もです。
今までいろいろと助けて下さりありがとうございました。
広告を断った以上最悪の事態を考えなければなりません。
今までどおりの売り上げではこの出版社は潰れてしまいますから。
これ…。
水田さんと緑さんの新しい就職先です。
以前勤めていた出版社の社長に相談して就職先を紹介して頂きました。
そちらにその谷さんの連絡先も書いてありますのでご興味あるところがありましたら連絡してみて下さい。
お二人でしたらすぐに次の勤め先も決まると思います。
鞠ちゃんもよっちゃんも今までありがとう。
ごめんね。
こんな結果になってしまって。
やめてよ。
まだ潰れるって決まった訳じゃないんだから。
そうよ。
次の号はどうするの?こんな事になってしまって無理をさせて悪いけど次号もきちんと作り上げたいと思っています。
力を貸してほしいの。
お願いします。
もちろん。
投げ出す訳ないじゃない。
ありがとう。
僕も最後までやらせて頂きます。
いや…水田さんをこれ以上巻き込む訳にはいきません。
お願いします。
やりたいんです。
私もやります。
常子さん。
ありがとうございます。
じゃあ…。
花山さんに戻ってきて頂きましょうよ。
もう広告も載せないんだから花山さんだって戻ってきて下さると思うわ。
それはよしましょう。
どうして?潰れかけの出版社に戻って頂くのはご迷惑がかかる事だわ。
突然お訪ねしてしまって申し訳ありませんでした。
(谷)驚いたよ。
社の前に立ってるなんて…。
まさか小橋君の妹さんとは…。
ク〜ッ。
ふぅ…。
あ…ひょっとするとこういうとこ初めてかな?はい。
お酒は飲まないので。
あっだったら場所変えようか。
落ち着かないだろう。
あっいえここで結構です。
でも…。
頂きます。
ほら無理するな。
はい。
フフフ。
先日広告を黙って載せるって聞いてから気になってたんだよ。
まさか花山さんが辞めそこまで追い詰められていたとは…。
次が最後の「あなたの暮し」になりそうです。
そうか…。
はぁ…。
それで相談って?花山さんの事です。
花山さん?私どうしても戻ってきてほしいんです。
でも姉はこんな状態でお呼びするのは申し訳ないと。
小橋君らしいな。
でも「あなたの暮し」が終わってしまうんです。
一緒になって作ってきて下さった花山さんがいらっしゃらないなんて…。
ここの表現をもう少し具体的にすると分かりやすいと思う。
分かった。
やってみます。
うん。
お願いします。
はい。
(花山)はい。
花山さん。
夜分にすみません。
どうしました?実は…この子が話があるそうなんです。
何の話か見当がつきますが聞く気にはなれません。
お引き取りを。
(谷)いやいや!「あなたの暮し」が終わるかもしれません。
生字幕放送でお伝えします2016/08/03(水) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 とと姉ちゃん(105)「常子、ホットケーキをつくる」[解][字][デ]
悩んだ末、常子(高畑充希)は広告主の申し出を断る。次号が最後となるかもしれない。美子(杉咲花)は花山(唐沢寿明)の力を再び借りるため、谷(山口智充)の元を訪ねる
詳細情報
番組内容
広告料はこれまでの倍出すので、得意先の料理を雑誌に載せて欲しい。広告主の料理学校から無理難題を押しつけられた常子(高畑充希)は、その申し出を断る。もしからしたら最後の号になるかもしれない次号の作成に、花山(唐沢寿明)の力を再び借りようと美子(杉咲花)が提案するも、潰れかかった会社に戻ってもらうのは迷惑だからと常子は乗り気でない。美子(杉咲花)は机にあった名刺を手に取り、谷(山口智充)の元を訪ねる。
出演者
【出演】高畑充希,相楽樹,杉咲花,伊藤淳史,山口智充,唐沢寿明,【語り】檀ふみ
原作・脚本
【作】西田征史
音楽
【音楽】遠藤浩二
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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