【カツオが磯野家を片付ける日】
現在、私たち夫婦は、どちらの親ともかなり距離の離れた場所に住んでいます。
40代の夫婦なので、親は70代と80代。
5月には、旦那さんの実家に長期滞在し、モノの多さに驚きましたが、嫁の立場では何も言えず、モノを減らすこともできずに帰ってきました。
ですが、今回読んだ本(Kindleで読みました)に、実家の片付けは、本来なら親が元気なうちにできる限り行っておくことが本当は望ましいということがわかりました。
そして、親や親戚とコミュニケーションをとることの必要性。
親に何かあった時に、残された人間が直面するのは、モノの処分だけではなく、悲しむ暇もないくらいの書類の整理や諸々の申請や相続の話。
今回読んだ本には、残された人間が直面するであろう事柄を物語形式でわかりやすくまとめてありました。
その本がカツオが磯野家を片づける日 後悔しない「親の家」片づけ入門 です。
あの磯野家を題材にわかりやすく解説
カツオとは、国民的アニメのサザエさんに出てくるキャラクターです。
日本人には親しみがあり、家族関係もアニメを見ているので読者にはわかりやすい。
この本の中での磯野家は、私たちが現在見ているアニメの時代から30年後という設定でシミュレーションされています。
この設定は、カツオの年齢が(41歳)サザエの年齢が(49歳)なので、私の年齢(40代)とちょうど一緒くらいです。
磯野家の設定は、それぞれがあの家から巣立ち、自分たちの暮らしで精一杯の状態。
そんな中、波平さんが急逝し、カツオが実家に戻ってきた時にゴミ屋敷と化した家の片づけをしながら、実母のフネと使う使わないモノについてケンカをしているところから始まります。
実家の片づけは社会問題?
年齢とともに体力が落ちて、片づけが億劫になり、床にモノを置いていき、さらに家の中が片づけられなくなっている高齢者も増えているようです。
また、少子高齢化社会では、自分の実家と、身寄りのない叔父や叔母の片づけをする人も増えていて、一人で2,3軒の片づけている人がいると本の中で書いてあります。
この本では、実家の片づけをカツオがどのように進めていけばいいのかを「実家片づけアドバイザー」として同級生の早川さんが登場し、アドバイスをしながら進めていきます。
モノを捨てることに罪悪感を抱く親世代と、モノを少なく生きる子世代の葛藤をアドバイザーの早川さんがうまく解決に導いていくのですが、本の著者:渡部亜矢さんが実際に実家片づけアドバイザーとして活動されているので、内容が現実的です。
片づけの禁句
身内同士で片づけ始めると、価値観の違いでイライラしてどうしても口調がきつくなります。
この本の中では、NGフレーズとそのかわりの伝え方が書いてあるので、ケンカをして途中で片づけができなくなったということが避けられると思います。
40代の私たちには70代や80代の親の衰えを知る由も無いので、片づけられないことや捨てられないことに疑問を持ったりしますが、相手のことも理解しながら実家の片づけを進めていかなければいけないそう思いました。
実家の片づけはモノの処分だけでは終わらない
この他にも、生前整理・遺品整理の仕方や、持ち家の相続問題、空き家問題、財産問題など、磯野家をうまく題材にして物語が進んでいくのでとても勉強になります。
相続の問題や、財産問題などは、専門家への相談が必要になります。
この本だけで全てのことがわかるとは言いきれませんが、概要は理解できると思います。
実家の片づけを逃げるわけにはいかないです。
元気なうちに少しづつでも、使うものと使わないものを選んで居心地のいい家にしてもらえるように、今から少しずつコミュニケーションをとって、話ができるようにしていくことも必要なのかなと思います。
コミュニケーションをとることで、話しにくいお金の話もしやすくなります。
実際、私が義実家に滞在中にお義母さんと、お金の話をすることができたので、大まかでもお金の流れを知ることができた事はすごく良かったと思います。
これから直面するであろう、実家の片付けを事前に予習しておくことは、自分が何かあった時に、残された人が少しでも楽に片付けができる為の予習にもなることなんだと思います。
断捨離、シンプル生活や、ミニマリストに憧れてモノを少なく暮らしてきたことは、間違いではないんだと本を読んで更に思いを深めました。
義実家に滞在した時に、この本を読んでいれば、話ができたのになぁと今となっては少し後悔もありますが、後悔先に立たずですね。
今後も話す機会はできるので、夫婦で予習をしてその日に備えていきたいと思います。
親の片付けを知るにはすごく勉強になる本です。
〜参考になるブログがあります:トラコミュ〜