読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

CindⅢ site

Hallo mein name ist Cyndi

バラ色の日々はまたイエローモンキーと探しに行けばいいんだってさ

音楽

f:id:cindIII:20160803232914j:image

THE YELLOW MONKEY(ザ・イエローモンキー)のライブに行ってきた。つい昨日の話だ。場所は横浜アリーナだった。

イエモンは、わたしの生まれた2ヶ月後に1stシングルを出したバンドで、一度解散して今年復活した。

好きになった時には既になくなっていたバンドが再結成するというのはすごく不思議だ。わたしは未だに自分がライブに行ったんだということを飲み込めていない。きっと、あの場にいた何%(何十%かもしれない)かの人は、わたしと同じ気持ちだろう。

 

これだけ有名なバンドなら、なんとなく名前は知っている。ボーカルの名前は、吉井和哉さん。わたしとイエモンは、ずっとそんな感じだった。

イエモンの曲を初めてまともに聴いたのは、実は他人の声でだった。トリビュートアルバム『THIS IS FOR YOU』(2009)に大好きなTRICERATOPSが参加していたので買って聴いたのだ。「トライセラの曲」を。そうしたら「イエモンの」JAMという曲の完成度に心を射抜かれてしまったのだった。当時17歳だった。  

このTHIS IS FOR YOUを擦切れるほど聴いた。歌っている人やアレンジは様々だったけれど(秦基博のSPARKはネ申)、収録されている楽曲そのものが今まで聴いたどのバンドよりもカッコ良くて、それはそれは大事件だった。毎月のバイト代が入るたびに本物のイエモンのCDを買った。どんどん好きになった。

同世代がBUMP OF CHICKENやELLEGARDENに傾倒する中、わたしは捻くれていたわけではなく、単純にそれが好きだったから、好きなバンドはイエローモンキーでーす、とも言うようになった。

その他にも、ファン投票ベスト『イエモン』のリリースにあたって曲の人気投票とフォトモザイクをやるというので、確かバラ色の日々に投票して、アニーの眉毛らへんに載った。イエモンが好きだったからだ。

時間軸が前後するけど、渋谷のタワレコで展示をやると言えば行ったし、DVDを発売するというなら買った。イエモンが好きだったからだ。

カラオケでは親世代にだけバカ受けされながらイエモンの曲をいくつも歌った。家でも外でも聴いた。マイブームの音楽は日々変わっていくけれど、イエモンはいつもブームとブームの間に戻ってくるような、そんな立ち位置だった。

吉井和哉ソロのCDも買った。映画も映画館で観た。なんて素敵なんだろう。でも、別物だ。イエモンと吉井和哉は別物だ(名曲自体はいくつもある)。

 

そんな日々を過ごしていたら、なんとイエモンが復活することになった。

theyellowmonkeysuper.jp

前兆があったとは言えどこか信じられなくて、内心ハァ?と思いながら月額制のファンクラブに入会した。当たり前のように。アベフトシが死んでミッシェル・ガン・エレファントがあのメンバーでは再結集不可能になってしまった時に、わたしはイエモンに関しては少しでもチャンスがあるなら絶対に逃さないと決めていたのだ。

ライブツアーをやるよと言うから、また当たり前のようにチケットの抽選に参加した。東京は外れて、横浜がなんとか当たった。普通のチケットより数が少なくて値段も高いアリーナ前方(SUPER指定席。要するに「良い席」)。チケットが届いた時に、わたしはとんでもないものを手に入れてしまったことにやっと気付いた。

 

f:id:cindIII:20160804002249j:image

開演2分前に上手寄りの指定席に滑り込んだ。一息つく間もなく緞帳が上がって、わたしは本物のイエモンと対面した。

照明に照らされてキラキラ光るジャケットを着たロビンは、シュッとしてかっこよかった。ヒーセはカラフルなギラギラが肩と袖口についたシャツを着ていて、エマちゃんは胸元にヒラヒラしたフリルのついたシャツの下に裾広がりのテカテカした白いパンツを穿いていた。アニーは黒のラメのタンクトップで、DVDで観ていた時より少し老けた。

イエモンの曲が生で聴こえる。これはCDじゃない。肉眼で彼らが見える。ちゃんと4人いる。もう辛そうじゃない、笑ってる。

ロックスターだった。わたしのロックスターは彼らだった。

 

イエモンの道化ぶるところが好きだ。あんなに完成度の高くて含みのある楽曲を、ちょっと茶化すように演る。あんなに意味を持ってそうな歌詞を、僕たちエッチなことしか考えてないですと言わんばかりの態度で歌う。

Chelsea Girl

Chelsea Girl

  • THE YELLOW MONKEY
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

この曲なんか正にそんな感じで大好きなんだけど、昨日は演らなかった。残念。

人間味がありそうで無くて、無さそうで少しだけあるけど、やっぱり全部ウソみたいだ。そんなウソが心地よくて、騙されていたい気分になる。そこが好きだ。イエモンのライブはGIGというよりSHOWだ。

 

バラ色の日々はイエローモンキーとまた探していきましょう、とロビンが言ったのが忘れられない。一気に涙で視界が滲んだ。そうか、そうだったのか、そうすればよかったのか。どうして気付かなかったんだろう。


バラ色の日々 / THE YELLOW MONKEY

追いかけても追いかけても逃げて行く月のように指と指の間をすり抜けるバラ色の日々は、ロビンと、イエモンと一緒に探して追いかけて掴み取りにいけばいいんだ。

ライブ前、激しく落ち込んでいた。完全に鬱に蝕まれてた。ヤル気が出なくて身体が動かず、対症療法で誤魔化してはいたものの本当はライブに行くことすら迷ったくらいで、人生に希望なんかとても持てていなかった。

けど、今がバラ色の日々でないのなら、すり抜けていってしまったのなら、また探してバラ色にすればいいんだ。今は前とは違う。だってもうイエローモンキーは幻じゃない、ない、ない。きっとわたしたちのことを見てないようで見てる。

絶対負けんなよとも言われた。負けないことにした。単純でチョロいファンだ。ちょっと言われたことにすぐ影響されてしまう。しょうがない。彼らはとんでもなくロックスターなんだ。

 

 f:id:cindIII:20160804010254j:image

会場ではバラ色募金という名前の募金をやっていて、募金をしたらピックがもらえた。

ピックにはTHE YELLOW MONKEYの文字が銀色で書かれていて、七色にキラキラ光る。

大切にしようと思う。

f:id:cindIII:20160804010329j:image

昨日の彼らのようだ。

本当にカッコ良かった。

 

Cyndi.