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 2030年度に予定されている北海道新幹線延伸時の札幌駅を巡り、JR北海道などは3日、建設主体の鉄道・運輸機構(横浜市)が示した案の検討結果を札幌市と道に伝えた。新幹線が1、2番線に乗り入れた場合、駅周辺の折り返し設備を増設しても在来線の減便と混雑は避けられないとの結果だ。4者は検討の対象をさらに広げ、9月末の合意を目指して協議を続ける。

 国が2012年に認可した当初案は、札幌駅南側の1、2番線に新幹線が乗り入れ、北側に在来線のホームと線路を増設するとしていた。しかし札幌延伸が5年前倒しされたことなどで北側の線路増設が難しくなり、JR北と鉄道・運輸機構、札幌市、道の4者が検討を進めている。

 機構は在来線への影響を減らすため、札幌、桑園、発寒中央の3駅周辺に列車が折り返したり待機したりする設備をつくる案を示した。だが3日の検討結果では、こうした設備をつくっても1日14本の在来線の定期列車が入らなくなり、6千人に影響するという。入らなくなる定期列車は主に午前8~9時台と午後4~6時台で、朝夕の通勤・通学時間帯を直撃する。さらに観光客に人気のある「旭山動物園号」や「フラノラベンダーエクスプレス」などの臨時列車も計9本入らなくなるといい、年間の影響人数は約9万5千人にのぼるという。

 この日の協議後、鉄道・運輸機…

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