こんにちは、Shin(@Speedque01)です。昨日、出勤する電車の中で携帯を眺めていたら、なにやら面白そうなニュースが飛び込んできました。
そう、Kindle unlimitedです。
ちょっと引用します。
Amazonは、電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited」を今日3日より開始しました。利用料金は月額980円(税込)で、初回30日間は無料で利用できます。
Kindle Unlimitedは、2014年7月に米国でスタート。日本は12ヵ国目のローンチとなり、スタート時点では和書は12万冊以上、洋書は120万冊以上が対象となります。ジャンルは、書籍、コミック、雑誌、写真集など豊富な種類が用意されています。
なんかスゲーな・・・と感じ、とりあえず申し込みました。
で、中身を見たところ、今まで読んできた名著や、読みたかったけど読めていないベストセラーばかり・・・。マジでこれが月額980円なのか・・・。
Kindle unlimitedのビジネスモデルで著者がもらえる報酬
ここでオススメ本のリンクを貼るだけでは芸がないので、ちょっとだけ英語ができる強みを活かして、この破壊的サービスのビジネスモデルについて調べてみました。
月額980円で本が読み放題・・・もちろん、ぼくたち読み手にとってはこんな嬉しいことはありません。しかし、著者にとってはどうなのでしょう?というか、そもそもどのような報酬体系になっているのでしょう?
この記事に詳しく書いてありました。
Previously, authors were paid a flat fee for every reader who downloaded their book – typically around $1.30 (89p) per book. But after the change was introduced, they were instead paid six tenths of a cent for each page read, meaning that an author would have to write a 220-page book, and have every page read by every person downloading it to earn the same amount they previously got.
日本語に訳してみます。
かつて著者は、読者が本をダウンロードするたびに1.3ドルを得ていた。しかし、この変更(ページごとの支払い)が導入されてからは、ページごとに0.6セント払われるようになった。つまり、かつてと同じ報酬を得るためには、著者は220Pの本を書き、かつ読者がそれを読み通さなければならないということだ。
日本ではいくら支払われるのかざっと探しましたが、見つかりませんでした。ほぼ同じように1ページあたり0.6円支払われるのでしょう。(知っている方がいたら、教えてもらえると嬉しいです)
Kindle unlimitedのビジネスモデルを使った詐欺行為
単純に考えると、これはなかなか良い仕組みに思えます。なぜか。
いくらタイトルで煽ったり、いい感じのことをいってみても、中身がゴミだったら読んでもらえません。しかし、それでも著者にとっては印税が入るのですから、それでもいいのです。結果、今までの印税モデルだと、「それっぽいタイトルで中身がゴミ」という本を淘汰することができない。
しかし、ページごと支払いモデルであれば、それは解消できるかもしれません。いくらタイトルで煽っても中身がなければ読んでもらうことができずお金が入ってこないため、結果としては中身が詰まった良書が残り、悪書は駆逐されると考えることができます。
ぼくの所感ですが、おそらくAmazonは上記のような社会正義に基づいた思想を一部持っていたのだと考えています。しかしながら、どこにでも悪い人はいるもので、こんな詐欺を働く輩が出てきました。
この記事から引用してみます。
In practice, however, Amazon isn’t able to judge whether or not a reader has truly read a book, and so the company judges how much of the book has been read by the latest syncing position received by its servers. In other words, a reader who opens a book and skips to page 400 would be judged as having “read” 400 pages – and the author paid accordingly.
Typically, a reader would have little reason to do that. But a number of enterprising scammers have uncovered several ways to encourage them to do just that, according to the New York Observer. One method covered by the magazine involves selling the book in a number of different languages (typically machine-translated), with the English edition put at the very back of the book.
ワロタ。日本語に訳してみますね。
実際問題、Amazonは読者が本当に本を読んだか知る術を持っていない。よって、最後にサーバーとシンクした箇所によって、どのぐらい読まれたか判断している。言い換えると、読者が400ページ飛ばしたとしても、それは400ページ読まれたと判断され、著者に金が入るのだ。
普通の読者がそんなことをする理由はない。しかし、たくさんの野心的な詐欺師達は、この盲点を突いた(New York Observer調べ)。ひとつのやり方としては、機械翻訳をつかって様々な言語を本の中に紛れ込ませ、最後のほうのページにだけ英語を載せるというやり方だ。
いやー、いろんなことを考える人がいますね。。。今後も、このプラットフォームをつかっていろんな詐欺をたくらむ輩はいそうです。
Kindle unlimitedを消費者以外の視点で見てみよう
Kindle Unlimitedが、消費者側としてみたら破壊的サービスであることは確かです。ぼくもすでに登録しましたし。
しかし、それだけでなく、著者側の視点に立ってみたり、書店側の視点に立ってみたり、これをつかった新しいビジネスを考えてみるのも面白いですよ。
では。