• GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie
  • GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie

印南敦史印南敦史  - ,,,  06:30 AM

人間関係が上手くいくコツは、相手の「自尊心」を満たすこと

人間関係が上手くいくコツは、相手の「自尊心」を満たすこと

160804book_to_read.jpg


ここで断言しよう。
よい人間関係とは、自分が求めているものを手に入れるのと引き換えに、相手が求めているものを与えることだ。
それ以外の関係はうまくいかない。(中略)
本書は、自分が求めているものを手に入れて、しかも相手を満足させる技術を習得したい人のために書かれている。
(「はじめに」より)

人望が集まる人の考え方』(レス・ギブリン著、弓場隆訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の冒頭にはこうあります。つまり本書が扱っているのは、相手が求めているものを与えることによって、自分が求めているものを手にいれる方法。求めているものを相手から奪い取るのではなく、与えてもらうために媚びへつらうのでもなく、ギブアンドテイクの精神で公平な交換を行うということです。

そして著者は、よい人間関係のカギは、人間の習性についてしっかり学ぶことだとも主張しています。また、そのためには人間の理想の姿を追求するのではなく、人間の現実の姿を究明する必要があるともいいます。人間の習性をよく理解して初めて、成功と幸福を手にいれるきっかけをつかむことができるということなのでしょう。そんな考え方を意識しながら、第2章「人を動かす基本的な秘訣」を見てみたいと思います。



人間関係の4つのルール


相手が夫、妻、子ども、親、上司、部下、同僚、友人、知人のどれに該当しようとも、人と関わるときは次の4つのことを肝に銘じる必要があるのだと著者はいいます。

1. すべての人は程度の差こそあれ自分本位である。
2. すべての人は自分に最も強い関心を抱いている。
3. すべての人は自分が重要だと感じたがっている。
4. すべての人は他人に認められたいと思っている。
(33ページより)

つまり、すべての人は自分の自尊心を満たしてほしいと強く思っているということであり、ここが重要なポイント。まずは、その願望がある程度満たされることが大きな意味を持つのです。そうして初めて、人は自分のことを「忘れ」、他人に意識を向けることができるから。また、自分が好きになって初めて、他人に対して有効的になれるのだともいいます。(33ページより)


自尊心が満たされないと批判的になる


古くから、自己中心的な人は自尊心が強すぎると信じられており、だから最善の対処策は、その人の高慢な鼻をへし折ることだという考え方が一般的でした。しかし、それがうまくいったためしはないと著者は断言します。なぜなら、そうしたやり方が相手の敵意をあおってしまい、かたくなな態度に拍車をかけるだけだから。火に油を注ぐ状態になってしまうわけです。

自分との関係がうまくいっているのであれば、他人との関係もうまくいくもの。逆に、自分との関係がうまくいっておらず、他人との関係もうまくいっていない人は自尊心が欠如しているので、自尊心を取り戻すことが唯一の解決策になるといいます。自分を少し好きになれば、他人のことも少し好きになることが可能。いったん自分に対する強い不満を乗り越えれば、他人に対して批判的でなくなり、寛容の精神を発揮することができるのだという考え方です。

問題を抱えた多くの人を対象とした臨床心理学の研究によると、自尊心を満たしたいという思いは、空腹を満たしたいという思いと同じくらい普遍的なのだとか。身体が食料を必要としているように、自尊心は敬意と承認と満足感を必要としているというのです。

そして人の行動原理は、自尊心を胃袋にたとえると説明しやすいと著者はいいます。1日3食きちんととっている人は、胃袋を満たすことを心配する必要がありません。しかし、その人が1日か2日食べられなくなると、性格に変化が表れるというのです。普段は温厚で素直な性格なのに、強情で意固地な性格に変わり、他人に対して批判的になるわけです。いいかえれば、空腹で苦しんでいる人は、食べることによって自分の最大のニーズを満たさなければならない。他のことに意識を向けるのは、それからだということ。

そして、これと同じ理屈が、自己中心的な人についてもあてはまるのだといいます。健全で正常な性格である限り、自分を受け入れて認める必要があるということ。自尊心が満たされないと、自分のことを忘れることができない。ただし、いったん自尊心が満たされれば、自分のことを忘れて他人のニーズに意識を向けることができるというわけです。(34ページより)


相手の自尊心を満たせば人間関係はうまくいく


人間関係を改善する際の鍵となるのは、「自尊心が満たされていないと、人々は摩擦やトラブルを起こしやすい」ということだと著者。自尊心が満たされれば、他人とうまくやっていくことができるわけで、具体的には次のようなことが期待できるそうです。

・寛容の精神を発揮するので、相手の考え方にじっくり耳を傾けることができる
・自分のニーズが満たされているので、相手のニーズに配慮することができる
・精神的に安定しているので、相手にミスを指摘されても素直に認めることができる
・批判を受け流すだけの自信があるので、大らかな態度で相手に接することができる
(37ページより)

端的にいえば、小人物より大人物のほうがはるかに扱いやすいということ。大人物なら相手の不用意な発言くらいでは自信が揺るがないわけです。ところが自尊心が低いと摩擦やトラブルが頻発し、さらに自尊心が低くなると、些細なことでも動揺しやすくなるといいます。

いわば自尊心の低い人は、ほんの少し批判のまなざしを向けられたり、厳しい言葉をかけられたりするだけで一大事のように受け止めてしまうということです。だから、他愛のない発言にさえ皮肉や嫌味のような隠された意味を見つけようとするような過敏な人は、低い自尊心のために苦しんでいるとみて間違いないと著者はいいます。

同じように、他人をこき下ろしたがる傲慢な人も、多くの場合は低い自尊心のために苦しんでいるもの。そして、こういう人の行動を理解するためには、2つのことを知っておく必要があるのだそうです。

まずひとつは、自分の重要感を高めようとして他人をこき下ろしているということ。もうひとつは、誰かに少し批判されただけで、すでに低い自尊心が崩壊するのを恐れていること。こういう人はいつも心のなかで怯えながら他人と接しており、自尊心を傷つけられる不安に耐えられないため、やられる前に相手を攻撃することがあるわけです。

だからこそ大切なのは、相手が摩擦やトラブルを起こす原因が「低い自尊心」であることを理解すること。そうすれば、相手を批判して日に油が注ぐようなことはしないからです。絶対にしてはならないのは、低い自尊心の低い自尊心で悩んでいる人に対して、辛辣な意見をいうこと。そんなことをすれば相手はますます手に負えなくなり、たとえ議論に勝ったとしても人間関係が壊れるだけだといいます。(36ページより)


気難しい人にはほめ言葉をかける


気難しい人に対処する方法はただひとつ。その人が、自分自身をより好きになるのを手伝うことだそうです。傷ついた自尊心を癒すのを手伝えば、相手はおとなしくなって突っかかってこなくなるというのです。なぜなら自尊心が深く傷ついている人は、腹を空かせた猛犬のようなものだから。どんな猛犬も餌を与えれば、吠えたり噛みついたりしなくなるわけです。

人間関係も同様で、心のこもったほめ言葉をかけて相手の自尊心を満たせば効果的だということ。ちなみに、それは気難しい人に対してだけではなく、普通の人にも効果があるといいます。

だから著者は、他人について賞賛できる些細なことを探してみようと提案しています。毎日、少なくとも5つのほめ言葉を周囲の人にかける習慣を身につけるべきだとも。そうするだけで、人間関係は好転するそうです。(39ページより)




著者は、人間関係のエキスパートとして知られるアメリカの心理カウンセラー。人間の本質に関する深い洞察が好評だそうですが、本書を読むとそのような評価にも納得できます。その表現には、人の本質を柔らかく包み込むような心地よさがあるから。人望とはなにかを再確認するためにも、読んでおきたい内容です。


(印南敦史)

  • ,,,, - By ライフハッカー編集部LIKE

    真田一族に学ぶビジネスパーソンの理想像。乱世を生き抜くカギは「約束」にあり

    Sponsored

    真田一族に学ぶビジネスパーソンの理想像。乱世を生き抜くカギは「約束」にあり

    真田一族に学ぶビジネスパーソンの理想像。乱世を生き抜くカギは「約束」にあり

    戦国武将に学ぶビジネス論を、皆さんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。めまぐるしく変化する情勢の中、選択を誤れば一夜にして滅亡しかねないという時代を、鮮やかに、あるいはしたたかに生き抜いた戦国武将たち。彼らの処世術・仕事術は、刻一刻と変化するテクノロジーやビジネススタイルに対応しなければならない現代人にとって、むしろ身近なものかもしれません。 『戦国BASARA』は、独自の史観とダイ  10:00 PM

MORE FROM LIFEHACKER

powered by

Kotaku

Recommended

© mediagene Inc.