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 中国公安省が7月下旬に開いた警察幹部向けの研修会で、警官が公衆の面前で法執行をする際、公務に支障がなければ周囲で写真や動画を撮る人に干渉してはならないと指導した。国内では最近、警官の横暴な対応に批判が噴出しており、常に民衆に監視されているという自覚を警官に促し、警察のイメージアップを図る狙いとみられる。

 研修会では、群衆の中で事案を処理する際に警察がどのような対応を取るべきかなどについて指導。検挙対象者らがしゃがみ込んだ場合、警察官も腰を低くして説得する▽対象者にしがみつかれた時は殴るなど危険な行為は慎む、といった細かな指摘が目立った。

 同省は研修会の狙いを「民衆の監督を受け入れ、(スマートフォンなどの)レンズの前で法執行することに慣れる必要がある」としている。

 背景には警察不信の高まりがありそうだ。北京で5月、男性公務員(29)が買春容疑で警察に拘束された直後に死亡したことが判明し、批判が殺到。6月には深圳で、身分証を所持していないだけで女性2人を車両に乗せ、「エイズ患者や泥棒、強盗犯と一緒に閉じ込めてやる」と暴言を吐く警官の動画がネットで広がり、地元当局が謝罪した。(北京=西村大輔