東華菜館でぼや、ヤモリが原因か
3日午後7時ごろ、京都市下京区の中華料理店「東華菜館(とうかさいかん)」の従業員から「地下1階から爆発音が聞こえ、焦げた臭いがする」と119番通報があった。消防隊員が駆け付けたところ、地下1階の変電室に煙が立ちこめ、天井や配線の一部が焦げていた。店の客と従業員計約200人が避難する騒ぎになったが、けが人はなかった。一方、同店周辺の繁華街では同時刻に停電が発生し、一時騒然となった。
京都市消防局によると、東華菜館の変電室から黒焦げになったヤモリが見つかった。同局はヤモリが電気基板に触れたことでショートして引火し、さらに近くの電柱に設置されている変圧器の安全装置が働いて停電が起きたとみて調べている。
東華菜館の建物は鉄筋造りで、地上5階、地下1階建て。米国出身の建築家、ヴォーリズが設計し、1926年に完成した。店内のエレベーターは1924年に米国で製造され、現存するものでは日本最古という。
店は鴨川にかかる四条大橋の西詰めにあり、周辺は多くの観光客や飲食客らでにぎわっていた。関西電力によると、停電は建物約150棟と信号1基で約40分間続いた。繁華街の木屋町通の一部にも及び、交差点で警察官が歩行者や車の誘導に当たった。【川瀬慎一朗、岡崎英遠】