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The art of DJing: Nobu

  • 蓄積された豊かな経験と確固たる意志が支えるDJという表現の高み ー 日本の最重要DJにYusaku Shigeyasuが迫る。

    DJ Nobuは日本屈指のDJだ。東京の隣、千葉県で生まれ育った彼は90年代にハードコアやパンクの影響を受け、バンドシーンの流れからDJカルチャーにのめり込んでいった。当時はパンク、ヒップホップ、ダブなどをプレイしていたが、LiquidroomにてJeff Millsのプレイを目の当たりにし、衝撃を受ける。人生観が変わるほどの体験をした彼のその後のプレイスタイルは変わり、サイケデリックで生々しく、パワフルな現在のテクノサウンドへと進化していった。2010年にMarcel Dettmannに招聘されBerghainでプレイして以来、海外での評価も着実に上がっており、現在ではヨーロッパやアメリカのラインナップに彼の名前があることも珍しくなくなっている。

    ハード、ディープ、エクスペリメンタルと様々な要素を持ったトラックを素材として、DJセットをひとつの物語として昇華させるプレイで広く知られているが、それは安易に形容できる類のものではなく、型に縛られない柔軟性と意外性に満ち溢れている。そしてそのプレイを支えているのは、2001年に地元千葉でスタートさせたパーティーFuture Terrorの他、数々のダンスフロアを相手にDJしながら獲得してきた実体験に基づく感性と、あらゆる場面にも耐え抜く強靭な意志だ。

    心地よい風が吹き抜ける春の夜、サイバーパンクの金字塔小説『ニューロマンサー』の舞台になった千葉市にてビールと日本酒を酌み交わしながら行った今回のインタビューで、DJ Nobuは屈託のない笑顔を見せながら、冗談交じりに質問に答えつつ、真摯にDJの信条を語ってくれた。20年のキャリアをもつ彼の言葉からは、DJプレイと同様の奥深さと力強さが伝わってきた。


    まずDJを始めたきっかけから教えてください。

    俺が育った千葉にはかっこいい年上のDJがたくさんいたんだ。もともと俺はパンク/ハードコアが好きで、今と全然違うシーンにいた。どちらかと言うとライブハウスに溜まっているような子だった。千葉港の倉庫を使ったパーティーがあって、そこではダンスミュージックだけじゃなくパンクやサイコビリーとか、ジャンル問わずいろんなレコードがかかっていて、そこに行ったときにふと「DJやりたいかも」って思ったんだ。

    それは何歳のときでしたか?

    18歳のときだね。行きつけにしていた服屋があって、そこにいた先輩がジャパニーズ・ニューウェーヴの伝説的バンド「8 1/2」のボーカリストとして知られている久保田慎吾という人で、その人が行っていた遊び場に俺も行くようになったんだけど、その場にすぐ馴染めたんだ。そこには色んなタイプの人がいて、混沌と秩序が不思議と共存していて、すごく面白いと思った。それが初めてのパーティー体験。当時、友達の間でUSハードコアが流行っていて、そのつながりでスケートボードカルチャーにも興味を持つようになってさ。イナダさんっていうBlack LabelのプロスケーターのDJやDJ Shinsakuって人達とパーティーで出会って一緒に遊ぶようになってDJを含めた遊びを教えてもらったんだ。











    そのときはどんな曲をかけていたんですか?

    初めてDJしたときはデタラメでDJと言えるような代物じゃなかった。ダンスミュージック解釈の日本のポップソングや『オバケのQ太郎』みたいなアニメソングとかに、何故かMurphy's Lawの曲やRun DMCの”Walk This Way”なんかを混ぜながらプレイしていたよ。

    今考えると再発したら面白そうな和物も中にはあったかも。あと東京にInfluenzaっていうスケーターのパーティーがあって、そこに先輩と一緒に遊びにいくようになって、DJが人を踊らせているのをまた違った形で目の当たりにして、かっこいいと思ったんだ。初めて人前でDJをしたのは19歳のとき。渋谷のInkstickでやったんだ。さっき言ったような曲とか、Anthrax & Public Enemyの”Bring The Noise”をかけたってことは今でも覚えているよ。

    えー、じゃあ今と全然違いますね。

    全然違う。違い過ぎる(笑)。ビートマッチもやらずに曲の拍を数えながら頭出ししてブっこむだけだった。その後にダブをかけるようになったんだ。ある日、イギリス人の友達が出来て、後になって東京でMaximum Joyってテクノパーティーを始めたやつなんだけど、そいつと仲良くなって家に行ったら、On-U SoundやThe Pop Groupとかイギリスの音楽がいつもかかっていて、その快楽性を覚えたというか。Dub Syndicateとか聞いてダブを好きになってディレイをミキサーにつないでDJをやるようになったんだ。

    それから、Augustus PabloやLee Perry、Burning Spearとか色々知ってDJでかけるようになった。同時期にCypress Hillがきっかけでヒップホップも好きになっていった。当時、自分にとってはレコードを買うって行為自体がクールで、 渋谷のレコード屋さんが過去最高に賑わっていたころ、よく店に通ってヒップホップのレコードを買うようになって、そこで初めてBPMを合わせてミックスできるようになったんだ。スクラッチも練習したよ。

    当時はミックステープの文化がありましたけど、影響を受けたものはありましたか?

    DJ KenseiとDJ Kiyoのミックステープはすごく聞いたな。当時はスケートボード、バンド、DJのそれぞれのカルチャーがいい感じにミックスされていた時代で、自分の周りではBeastie Boysの影響が大きかった。その当時のハードコアシーンで面白い活動をしていたニューキーパイクスっていうバンドのNoriさんが地元の先輩だったんだけど、何かのときにクラリネットを吹いて控室で遊んでいたら、「君、クラリネットかっこいいね。今度一緒にやらない?」って言われて、そのときは「何言ってんの、この人?」って思ったんだけど(笑)、最終的に彼のバンドでクラリネットを吹くことになったんだ。それからは彼のパンクなライフスタイルに凄く影響された。











    そこから今のスタイルにつながっていくっていうのが面白いですね。

    テクノを聞くようになったのも、さっき言ったイギリス人の友達がきっかけだったんだ。あと伊豆にあった大滝ランドというキャンプ場でレイヴが開催されるようになって、フライヤーもわら半紙に地図が書いてあるだけでさ。パーティーで知り合った友達にそのレイヴを教えてもらったんだ。当時はカーナビもまだ普及されていない頃で迷子になりながら遊びに行ったなー。でもテクノでDJをやるようになるのはもっと後になってから。その頃はDJをそこまで本気でやっていなかった。それからLiquidroomでやったJeff Millsを現場で体験して「すげぇな、これ」ってなってさ。テクノでDJをやりたいって思うようになったのはそれが最初かな。その後、96~97年ぐらいにManiac Loveへも遊びに行くようになった。

    でも当時はちょっとテクノから脱線するようなことをやりたかったんだ。アブストラクトなブレイクビーツをテクノに混ぜたりしていた。だけど風変わり過ぎたのか当時は全く受け入れてくれる場所が無かった。スキルも無かったし。それで「なんだよ。DJってつまんねーな」って思って一時期DJをやらなくなったんだ。でもちょうどその頃にMetamorphoseの1回目があって、BoredomsのEYヨさんとThe Future Sound Of Londonがすごく自由なプレイをしていたんだ。それを見てオルタナティブなプレイに再び興味が湧いてきてさ。あとFrancois KevorkianのDJがそういう自由さを洗練させてハウスミュージックとして提示していた。その当時『Essential Mix』というミックスCDが発表されて、それがもう素晴らしいミックスで自由かつスタイリッシュで衝撃を受けた。それを知って「うわぁ、これは俺もやってみたい」ってDJをもう1回やってみようと思ったんだ。Future Terrorを始めるきっかけのひとつにもなった。

    じゃあ当時のDJではそういったハウスが中心だったんでしょうか?

    デトロイトテクノなんかもかけていたよ。エレクトロも好きで”Sharevari”とかDrexciyaとかMetroplexの曲をハウスに混ぜたりしていた。そこからディスコもかけるようになったけど、どちらかというとサイケデリックなシンセが入っているオブスキュアなものを好んでかけていた。その後、宇川君のMixroofficeが始まって、Funktion Oneで鳴らされる解像度の高いテクノを初めて体験して、その音でDJする醍醐味を覚えちゃったんだ。そこから思いっきりテクノにシフトしていった。でも今みたいな感じのDJスタイルになっていくのは2009年に千葉のQueensって店でやったFuture TerrorでMarcel Dettmannを体験してからだね。

    DJするときにはどんな機材を使っていますか?

    ターンテーブルとCDJとミキサー。エフェクトは基本無くても関係ない。ディスコやハウスをかけていたときはエフェクトを使いまくっていたけど、今は全然使わなくなったな。最近だとRaneのMP2015を気に入っているけど、ミキサーには基本Allen & Heath Xone:92を使っているよ。



















    それは何故でしょうか?

    出音がいい。あと操作性もいい。Xone:92はわりと原音に忠実でフラットなんだ。もっと機能性に優れたミキサーも今は出ているけど、Xone:92の操作に一番慣れている。UreiとDope Realの組み合わせも好きだよ。でもトラックを混ぜ合わせたときの気持ちよさは、ミキサーの個性ごとに楽しめるから、どのミキサーを使うことになっても基本は大丈夫。2010年くらいまでレコードをメインで使っていたんだけど、CDJ2000が出たとき、それ以前のCDJより音が格段によくなったと思って、CDJを使うようになったんだ。

    今はUSBをメインで使っているけど、状況に応じてレコードも使っている。先日のRDCではBlack MadonnaとB2Bでハウスをプレイしたけど、そのときはヴァイナルを使った。DJブースに低音が回ってくるとDJしづらいことがあるんだけど、この日はブースの土台が安定していたし、外のスピーカーにも干渉されていなかったし、ハウスだとヴァイナルの方が自分の出したいグルーヴが出せると思ったからヴァイナルでプレイすることにしたんだ。

    USBを使うようになったのは?

    便利さと効率の良さだね。曲をいっぱい持っていけるし、最近はレコードを使うDJに全く考慮してない現場もあるけど、USBだとどんな環境でも大体安定して使える。最初はCDJに抵抗があったんだけど、CDJ2000の登場で出音がそれまでのCDJとガラッと変わって納得いく出音でDJできるようになった。それと、それまではレコードでDJしないとグルーヴが出せないと思っていたんだ。CDJを使ってみても思い通りのグルーヴが出せなかった。それがCDJ2000になってからガラッと変わった。しかも今のCDJ2000NXS2は進化していてハイレゾ音源も使えるし出音も操作性もさらに良くなった。

    パーティー前に行う選曲はどのようなことを考えながら行っていますか?

    お客さんの雰囲気に合わせて対応できるようにバランスの取れた選曲を心掛けているよ。USBでたくさん曲を持っていけるようになった分、曲の雰囲気によって、アシッド、ディープって感じで自分なりにカテゴリー分けして、DJ中にかけたい曲をすぐに見つけられるようにしている。

    ヴァイナルとデジタルの音源をミックスするとき、フォーマットの特性上どうしてもサウンド面で違いが発生しますよね。

    そこはEQが大事なんだよ。鳴り方の違いも含めて曲それぞれの特性を覚えるのが大事だね。実際にDJをするまでにどれだけ曲のことを理解しているのかっていうのが大事になってくる。











    異なるジャンルをミックスする際はどのようなアプローチをとりますか?

    色んなジャンルをかけるときはショートミックスする方がテンポよくなって面白い。その一方で音と音を重ね合わせることで生まれる気持ちよさってあるじゃん。だからテクノをかけるときはロングミックスしている。音と音のレイヤーはすごく意識しているね。EQはその場の出音を聞いてEQをどう処理するかを決めて、こうやれば気持ちいいんじゃないかなとか考えるようにしている。もちろん、それは曲をちゃんと把握していないとできないことだよ。ミックスするふたつの曲の特性を把握して、気持ちいいレイヤーを作るんだ。

    以前からロングセットでプレイすることが多いですよね。どのくらいのセットの長さが好ましいですか?

    このまえアメリカから帰国したときは、浜松と沖縄で各5時間半やったよ。これまでで一番長かったのは12時間半だね。自分的には3時間くらいがベストだと思っているけど。

    それは何故でしょうか?

    まとめやすいし、ひとつの流れを組み立てやすい。グルーヴを落ち着かせたり、きれいめなメロディを入れたりすることで自分の感情を表現しながら流れを作るんだ。この前ニューヨークで俺のDJからは種が発芽して育っていくようなストーリー性を感じるって言われたよ。それとは別の海外ツアーのとき、パーティーの最後にDJをする日があって、お客さんも減っていたところからセットを始めたんだけど、途中で「やめろ」って現場のスタッフから言われたことがあるんだ。でもそれだと流れを作っている途中でセットが終わることになるから俺としては納得がいかなくてさ。短いセットで言えばBoiler Roomでやったときは1時間だったけど、その中で自分なりに流れを作れたと思う。もちろん自分を前面に出すだけじゃなくて、フロアとコミュニケーションを取るためにお客さんの表情を常にチェックして、どういう曲をかけるべきかを判断している。お客さんが疲れているかどうか、楽しそうにしているかどうか、ハマっているかどうかによって色んな表情があって、それに対して盛り上げたい、落ち着かせたい、ハメさせたいっていう自分の意図で選曲したときにお客がどう反応するかを見ている。

    そこで自分の行きたい方向とお客さんの求めている方向が違うと思ったときはどうしていますか?

    まずは中間地点を探るかな。それまでの現場の流れを踏まえてどういうセットにしていくかを考えることもある。だけどお客さんを無視して最初からかける曲を決めて、その通りにかけるっていうのは俺にはできないな。お客さんに媚びるわけじゃない。自分的にはこうしたかったけど、フロアの求めている方向にいった結果、お客さんは満足して、俺は満足していないってときもある。でもDJが終わったときにお客さんの顔が嬉しそうだったら最高なんだけどね。


    会場のサイズによって、お客さんの雰囲気の掴みやすさは変わりますか?

    場合によるけどフロアのスイートスポットにいる人たちを気にしているかも。もちろん最前列の人の表情もチェックしている。会場のサイズによってプレイする曲は変わる。臨機応変に対応することが必要不可欠だと思う。











    ひとつのセットを序盤、中盤、終盤と分けた場合、それぞれでどのようなことを意識していますか?

    序盤に4曲ぐらいかけるまでにはお客さんがどんなものを求めているかを掴みたいと思っている。自分がイメージしているようにやれるっていう感触を掴んだときは自分の一番パーソナルな部分を思い切り出していこうとするし、そういう感じのフロアじゃないって思えば、お客さんの反応を無視してまで自分のプレイで押し切らないし、パーティーの雰囲気も壊したくないから、その場に馴染むプレイにする。だから自分のセットが始まる30分前くらいから、すごく頭を回転させてフロアの雰囲気を見るようにしている。中盤はフロアにいる人が音楽に集中しやすくなるような、時間感覚が麻痺する状況を作り出すことを意識している。終盤は自分の出番が最後であれば、フロアにいる人の気持ちを落ち着かせて着地させるにはどうするのがベストかを考えている。調子のいいときはフロアとの調和がとれて自然に選曲もできる。次のDJが控えているときは、その人が始めやすいように地味なトラックを選んだりグルーヴを抑えたりすることもあるね。

    自分の前のDJが全く違う系統のセットをプレイしていた場合は、どう対応していますか?

    基本的にはそのDJのスタイルやグルーヴにできるだけ合わせるようにしている。でもパーティー全体の流れと関係なく、自分の個性が求められていると判断したときは、それまでの流れを完全に無視して、がらっと変えちゃうときもある。スタイルがあまりにも違うDJの後なら、音を止めてから自分のセットを始めるときもある。日本でいえば、フェスでTHA BLUE HERBの後に俺がやることだってあるわけじゃん。俺はテクノ以外のパーティーにも結構ブッキングされるんだけど、個人的にそれはすごくいいことだと思っている。 そんなふうにブッキングされるのは、テクノ以外のパーティーのお客さんにもテクノの楽しさを知ってもらえているってことだからさ。そういうブッキングや色んなアーティストとの共演をこれまでたくさん経験してきたから、自分がどういうプレイをすべきか判断できるよ。例えばDJ Krushさんと何度も共演しているけど、そういうときはヒップホップをかけるわけじゃなくて、ヒップホップを好きな人に響くような曲を自分なりに考えてプレイするようにしている。

    大失敗したと思うことは今だにありますか?

    例えばミックスするときにBPMがすごくズレたとしても、そこで動揺しないようにしている。すぐに立ち直ることが大事。そのリカバー能力っていうのは経験でしか得られない。これまで色んな失敗をしてきたし、失敗してもすぐに立ち直る精神力を身に付けてきたよ。「俺は絶対このあと持ち直すから大丈夫だ」っていう意識でいること。お客さんの求めているものはこれだって思ってプレイした曲が見当違いのときもたまにある。神様じゃないからさ(笑)。そういうときでもすぐに立ち直ることが大事なんだ。

    それと俺は少しでもリスクがある方が好き。なぜなら失敗するかもしれないっていうリスクを背負って自分の手で操作してミックスすることで、その緊張感がフロアに必ず伝わるからなんだ。それこそさっき話したRainbow Disco Clubのときは風が強かったけど、あえて風による針飛びのリスクをとってでもその場ではヴァイナルがベターだと思って使った。ギャンブルしろということじゃなくてブースに入る直前までの判断力、リスクの取り方だね。CDJではミックスがずれないようにするSync機能があるけど、ミックスができないからとか、楽をするためとかっていう理由で使うんじゃなく、Sync機能があるからこそできる新たな試みのために使うべきだと思う。そうすることでも緊張感は生まれるから。











    会場が変われば出音も変わりますよね。そういう環境面の違いに対して、どのように対応しますか?

    その出音に合わせてEQの使い方を変えている。それと同様にミックスするときのフェーダーの上げ下げの感覚も。場所によって気持ちよく鳴る帯域が違うし、低域を突っ込んだからといって必ず迫力が増すわけでもないし、逆に引き算をすることによって迫力が出ることもある。そういうEQの使い方はDJの基本だし、一番大事な部分だと思う。長時間その場所にいても疲れない音が大前提。持っていく曲の特性と会場の鳴り方を踏まえた上で、ミックスするときにどう鳴らせば気持ちいいのかをその場で判断している。だから全部のEQがセンターのままでいいときもあれば違うときもある。そういうことを理解するためにはとにかく経験が大事だと思う。

    DJセット中はどのくらい先のことまで考えながらプレイしていますか?

    3曲先くらいまでを意識しながら次の曲をかけているけど、同時に30分後にはこういう風にしていきたいっていうイメージも持っている。でもお客さんや会場によって常に状況は変化し続けるから、そのイメージに向かって無理に進んでいくことはしない。ポッドキャストやミックスCD用にミックスを作るときは人前でDJするわけじゃないから、自分のイメージに向かって突き進んでまとまりのあるセットになるようにしている。それがウケなければそれはそれでいいやって感じかな。

    自分の考える理想のDJ像はどんなものですか?

    好きなDJの基準は生々しさがあるかどうか。例えば高度なスキルが無くても感動するDJはいるし、綺麗にまとまったプレイをしても心に響かないDJもいる。数年前にDonato DozzyがLabyrinthでプレイ中に針がとんで、「うわぁ、針がスキップしちゃってる。どうするのDonato・・・」って思ったとき、彼はとても見事にリカバーしたんだよ。そういうところでも感動するじゃん。それって何故かな? と考えると、そこに人間自身が操作することによる生々しさと緊張感があるからだと思うんだ。それとその人にしかできない表現力を持てるか。それらは重要なポイントだと思う。

    自分のスタイルを持って「俺はこれだ」と言える信念を持つことが大事なんじゃないかな。自分の好きな音楽が誰にでも受け入れられるわけじゃないけど、自分がかける曲とミックスをする自分の直感を信じてプレイするんだ。DJとしてミックスすることによって曲単体で聞くときよりも魅力的な音楽に変える。そういう自分の信念を持ち続ける強さが大事なんだよ。
    • 文 /
      Yusaku Shigeyasu
    • 掲載日 /
      Wed, 3 Aug 2016
    • Photo credits /
      Alexis Wuillaume
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