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会社ばっくれマニュアル。君は自由だ!

世間や仕事の話

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(この写真は、バックレた同僚のアパートに置かれていた手紙を再現したものだ。)

あいつ、遅刻か? 連絡あったか?

事務所内に緊張が走る。もしかして・・・

携帯に連絡したか。電話に出ない?

始業時間は既に過ぎている。何度電話しても電話に出ない。午前11時までに本人、及び、家族から電話がなければ皆の予感が的中したことになる。

そして、また一人いなくなった。

会社ばっくれマニュアル!

私の従事する業界では突然消息を絶つ社員が後を絶たない。同僚のみならず、取引先の担当者であったり、下請け業者の担当者。突然、出社拒否してしまう。

会社から逃げることは良くないことだが、この業界は非常に厳しい業界だ。私も逃げたい。

逃げること自体は否定しない。しかし、周りに大変な迷惑を及ぼす。そうならないためにも、ばっくれには準備が必要である。それをご紹介したい。

第1章 心は突然折れる!

心が折れない人はいない。どんなに元気な人でも、ストレス耐性がある人でも、些細なきっかけで心が折れる。折れた心は簡単には戻らない。環境が変わらない限り戻ることは無い。

本人が気づかないうちに心には疲労が蓄積される。それが、ふとしたきっかけで、「ボキッ!」と折れる。

会社に遅刻した。顧客からクレームを言われた。上司から注意を受けた。

普通の状態では何でもないことだが、大きくひび割れ、疲弊した心では、少しの衝撃でも「ボキッ!」となってしまう。そんな人たちをたくさん見てきた。「俺は大丈夫!」と思っている心臓に毛の生えた人。そんなあなたにこのマニュアルを読んでほしい。「あいつは大丈夫」と思われている人が一番折れやすい。また、「俺は大丈夫」そう思っているあなた、是非読んでほしい。

第2章 社内規定を確認しておく

バックレることは会社を辞めることである。(復活する人もまれにいるが)

会社を辞めるには手続きが必要である。手続きが完了しないと、せっかく自由を手にしても、後々に問題になることもある。退職に関する手続きを事前に把握することはとても重要だ。

書類の提出のために逃げ出した会社に再度いかなければならない場合もある。嫌な上司と顔を合わせる可能性もある。そうならないためにも、社内規定を事前に確認しよう。

退職願の出し方

退職願を出さなければ退職が受理されない会社もあるようだ。退職願の書式、いつまでに提出しなければならないのか把握しておこう。

社内規定に沿って、会社から逃げる前日に上司の机の上に退職願を出すのか、逃げた後に郵送で提出も可能なのか、選択肢が変わってくる。

また、バックレる人には関係ない話になるが、退職願をいつまでに出すのか、退職願を提出後いつまで会社に在籍することになるのか確認する必要がある。2週間後に退職など会社によって退職時期が変わってくる。バックレた後もしばらくは会社に在籍することになるため、その期間を確認することは重要である。失業手当などをもらうことを考えているなら必ず確認するようにしよう。

会社から貰う書類を確認

離職票などはいつもらえるのか。年金手帳はどうするのか等、一通り確認するようにしよう。主に会社から受け取る書類は以下の様な書面だ

・離職票

・雇用保険被保険者証

・源泉徴収票

・年金手帳

会社に返す書類を確認

会社に返却しなければならない種類もあるので必ず確認しよう。

主な書類を以下に示す。

・健康保険証

・身分証明書

・制服

・名刺

給料、退職金の確認

 バックレた後、退職が確定するまでの給料はどうなるのか。ばっくれに関する給与形態は社内規定では記載されていないと思うが、普通に退職した場合の給与や退職金に関しては記載されている。普通の退職ではないが、参考として確認しよう。

第3章 引継書を作成しておく。

あなたがバックレることで困るのは、同僚である。

あなたが進行していた業務を同僚が引き継ぐことになるが、資料がないと何もできない。引き継ぎ書があれば、それだけで同僚にとっては救いとなる。

引き継ぎ書は案件ごとに

引き継ぎ書は案件ごとにまとめるよう心がけよう。案件ごとにまとまっていないと内容が理解できない資料となってしまう。

引継書は正確に書く

引き継ぎ書は正確に書くようにしよう。ばっくれる直前になると、色々と問題を抱えている事が多い。書きたくない内容や、自分を擁護するような内容になりがちである。しかし、残された同僚にとって必要なのは「真実」である。良い内容、悪い内容に関わらず真実を知りたい。正確な事実関係を把握しなければ、対応が後手に回ってしまう。残された者の事を考え、必ず真実を書くようにしよう。

関係者の連絡先も記載する

関係先の担当者の名前、連絡先も記載する。この案件は誰に確認すればよいか分からないことが一番困る。また、あなたが会社から逃げることで関係先にも多大な迷惑をかけることになる。関係先は必ず記載するようにしよう。

引き継ぎ書の所在を同僚に通知

せっかく作成した引き継ぎ書でも同僚が発見できなければ意味がない。書面として残すのであれば、同僚が見つけやすい机の上に置いてバックレたり、データとして、メールで送ったり、必ず同僚が分かるようにしなければならない。

第4章 どこにバックレるか

会社から逃げた後、同僚はあなたを探す。心配して探す。あなたの事を心配して探しているのではない。引き継ぎの事、業務が増えること、自分の事を心配してあなたを探すのだ。あなたのことを心配して探している同僚は残念ながらいない。

あなたを探す同僚の行動

自宅には必ず同僚がやってくる。インターホンを押したり、ドアをノックしたり、それでも出てこない場合は、アパートに住んでいれば管理会社に連絡して、室内を確認してもらうようにお願いする。

また、電気メーターや水道メーター、ガスメーターが動いているか確認する。それらが停止されていれば、その場所では生活していないと判断される。

ばっくれ先は自宅、転居先

計画的なばっくれの場合は、引っ越すなどして事前にもぬけの殻にすることもできるが、突発的なばっくれの場合は、引っ越すことも難しい。家族と住んでいれば家族にも迷惑をかけることになるだろう。

計画的なばっくれで引っ越し先も決まっている場合は、玄関ポストや、玄関の枠の間に「会社の方々へ」と記載した手紙を挟もう。その手紙に、会社を逃げ出した理由、探しても無駄な事。無事でいる事。なにがなんでも退職することを記載しよう。この手紙が玄関にポストなどに挟んであると管理会社などを呼んで室内に入らなくて済むため、同僚の時間を無駄に使わない。

突発的なばっくれの場合は何らかの理由で、自宅に戻らなければならない。最悪、自宅で引きこもらなければならない。自宅には同僚や上司が間違いなくやってくる。「いるんだろ、出て来いよ」「話し合おう」になる。それが嫌なら、実家に戻ったり、友人の家にしばらくとどまろう。ただし、自宅の扉には「会社の方々へ」と記載した手紙を挟むようしよう。そうすれば、会社の関係者は諦めて早い段階で自宅訪問はなくなる。

家族と同居している場合は家族に事情を伝え、ホテルにとどまるなり、友人宅に止まるようにしよう。

家族には連絡しよう

会社は家族に連絡をする。なので家族には会社から逃げたことを連絡するようにしよう。居場所を言う必要はないが、無事なことだけはは伝えよう。同僚などはあなたの家族に連絡し、所在を確認することとなるが無事でいることが確認できればひとまずは安心する。

 第5章 取引先、関係先への対応

あなたが出社拒否したことで、取引先、関係先への対応はどうなるかご紹介しよう。

取引先への連絡

あなたの出社拒否はどのように関係先に伝わるか。「バックレました!」とは言わない。理由として多いのは「体調不良で出社していない。」である。どのような体調不良なのか聞くと、「原因は分からない」と回答が来る。この時点で「バックレたな・・・」と察しが付く。

さらに突っ込んで、「今後の取引の関係もあるため、出社時期について教えてほしい」なんて聞くと「時期は不明です。相当悪いようで・・・」このご時世、原因不明で、復帰時期も分からない病などない。ここで確定である。

こんな感じて取引先にも情報が伝わり、皆が「バックレたな」と確信するようになる。更に突っ込んで、「体調不良との事だが、体の不具合なのか、頭の方の不具合なのか?」なんて聞いたこともある。頭とは当然、心の事である。「体ではない」こんな回答も多い。この回答は良心的である。暗に「復帰はない」と教えてくれているのだ。

取引先への責任に関して

あなたがバックレた後、取引先はどのような行動をとるか、それは、あることないことを言うようになる。例えば

・金額を値引きして合意した。

・注文個数を増加して、金額は据え置いてもらった。

・トラブルの責任はバックレた担当者が責任を負うようになっていた。

などと、復帰が無いことが分かっているため、バックレた人に、あること、ないことを約束していたことにしたり、責任を押し付けるようになる。

下請け業者に関しても同じで、これ幸いに、全てをバックレた人の責任にする。

関係先にとっては儲けたり、今までの公にできないトラブル解決のチャンスとなるため、あなたの出社拒否が利用されることになる。

バックレた人の同僚は、それらの対応に追われることになる。取引先から理不尽な事を言われても、言い返すことができない。膨大に膨れ上がった残務処理に時間を取られパンク寸前になる。

第6章 まとめ

会社をバックレる。一大決心である。会社から逃げたい気持ちは良くわかる。

明日は我が身かも。

私の場合は、突然いなくなる。当然、引き継ぎ書なども書かない。バックレる会社にそこまでする義理はない。但し、もうらう物はもらう。