「Container 2.0の時代へようこそ」、Mesosphereがコンテナ市場へ新たな挑戦状

2016年8月4日

Container 1.0の世界は、コンテナで何ができるかを議論するよいきっかけとなった。これからはContainer 2.0の世界の話をしよう。データセンター向けの基盤ソフトウェアを開発するMesosphereは、同社のブログでこう切り出したブログの記事「Welcome to the era of Container 2.0」を公開しました。

Welcome to the era of Container 2.0

ステートフルとステートレスを同時にサポート

Container 2.0とは何を指すのでしょうか。同社は次のように説明しています。

At its simplest, Container 2.0 is the ability to run (and orchestrate) both stateless and stateful services on the same set of resources.

簡単に説明するならば、Container 2.0とはステートレスとステートフルのサービスのどちらも同じリソースセットの上で実行(そしてオーケストレート)できる、というものだ。

そして当然ながら、Container 2.0を実現するのは正式版が登場したばかりの同社のソフトウェア「Mesosphere Enteprise DC/OS」であるというのが、同社の主張の骨子です。

Mesosphereは、データセンターのリソース全体を1つのOSのように管理することを目指して開発され、分散アプリケーションのためのプラットフォームとして高いスケーラビリティと可用性を提供、Dockerコンテナなどに対応し、オーケストレーション機能やリソースの最適化機能などを備えています。

そして同社は8月1日、Apache Cassandraの開発元であるDataStaxや、Apache Kafkaの開発元であるConfluentとの提携を発表しました。

これらデータベースサービスはステートフルなサービスの代表であり、この提携はMesosphereによって「Leading data partners bet on Container 2.0 and DC/OS」(先進的なデータサービスを提供するパートナーは、Container 2.0とDC/OSに賭ける」と、Container 2.0の幕開けを告げるものであると発表されたのです。

Mesosphereは複数のスケジューラを搭載

ステートレスとステートフルのどちらもサポートするContainer 2.0にはどんなメリットがあるのか。同社の主張は、もしもステートレスしかサポートできなければ、データセンターのリソースはステートレス用とステートフル用に分割管理され、いわゆるサイロ化してしまうと言います。

A Container 2.0 application can consist of hundreds of containers and rely on dozens of infrastructure services, such as databases and message queues, but be deployed and scaled in the datacenter or cloud as a single cohesive unit.

Container 2.0アプリケーションは数百のコンテナと多数のインフラサービス例えばデータベースやメッセージキューなどで構成されます。しかし、それらは1つのまとまったユニットとしてでーたせんたーやクラウドへデプロイされ、スケールできるのです。

なぜMesosphereはステートレスとステートフルのどちらも同時にサポートできるのか、その理由は、同一クラスタに対して複数のスケジューラを対応させているからです。

fig 「Welcome to the era of Container 2.0」から一部抜粋

Running multiple schedulers on the same cluster—simultaneously, multi-tenant on shared nodes—is the only way to maximize resource utilization and accommodate the wide range of Container 2.0 workloads. Container 1.0 systems, including Kubernetes and Docker Swarm, use a single monolithic scheduler. And because there is no single scheduler that can optimize for all workloads,

複数のスケジューラを同じクラスタで同時に実行する、マルチテナントを共有されたノード群で実現する、これが幅広いContainer 2.0ワークロードに対応し、リソースを最適化する唯一の方法です。

KubernetesやDocker SwarmなどのContainer 1.0用システムは、単一のモノリシックなスケジューラを用いています。すべてのワークロードに最適化できる単一のスケジューラなどないのです。

コンテナ周りのスケジューラはKubernetesとDocker Swarmの二強が火花を散らしている状態ですが、ここにMesosphereが挑もうとしているように見えます。もちろんこの市場はまだ始まったばかりです。果たして、Container 2.0というコンセプトは市場に受け入れられるでしょうか。

このエントリーをはてなブックマークに追加
follow us in feedly

タグ : Docker , クラウド , コンテナ



≪前の記事
Salesforce.com、ドキュメント共有サービス「Quip」を買収。モバイルでのコラボレーション機能を強化が狙いか

Loading...

Blogger in Chief

photo of jniino Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。新しいオンラインメディアの可能性を追求しています。
詳しいプロフィール


Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed



Publickey 最新記事 10本

Publickey Topics 最新記事 10本


PR - Books


fig

fig

fig

fig



blog comments powered by Disqus