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 全国の現金自動出入機(ATM)から約18億6千万円が一斉に引き出された事件で、千葉県警は3日、偽造カードを使って現金を引き出したとして、指示役とみられる指定暴力団山口組系組員を含む県内の男4人を不正作出支払用カード電磁的記録供用と窃盗の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。

 4人の逮捕容疑は今年5月中旬、共謀し、県内の複数のセブン―イレブンのATMで、南アフリカの銀行が発行したカードの情報を基に偽造したカードで現金数百万円を不正に引き出して、盗んだというもの。

 捜査関係者によると、逮捕されたうち3人が「出し子」で、山口組系の暴力団組員が3人にお金を引き出すよう指示した疑いがあるという。県警は4人が事件を起こした組織の末端メンバーとみており、今後、メンバーを誘い込む「リクルーター」や首謀者など組織の解明を進める方針だ。

 事件では、千葉県内で約2億円の被害が確認されており、県警が店内外の防犯カメラの映像を解析するなどして捜査を進めていた。