連続テレビ小説 とと姉ちゃん(104)「常子、ホットケーキをつくる」 2016.08.02


(花山)ほら茜。
小麦粉をパンにしてもらってきたぞ。
はい。
(茜)ありがとうございます。
(三枝子)お金の方は大丈夫なんですか?たまにはいいだろう。
金の事だけ気にしていると心まで貧しくなる。
食べなさい。
頂きます。
(三枝子)おいしい?
(茜)うんとっても!・「普段から」・「メイクしない君が」・「薄化粧した朝」・「始まりと終わりの狭間で」・「忘れぬ約束した」・「花束を君に贈ろう」・「愛しい人愛しい人」・「どんな言葉並べても」・「真実にはならないから」・「今日は贈ろう」・「涙色の花束を君に」・「涙色の花束を君に」
(照代)さあ遠慮しないで召し上がって下さいね。
(一同)頂きます。
(綾)うんおいしいです。
(梢)うん初めて食べたよこんなの。
(お蝶)世の中にはこんなにうまいもんがあるんだねえ。
(さくら)カフェーのメニューにもなかったですわ。
(照代)カフェー?
(宗吉)カフェーってあの女給さんのいるカフェーかい?
(鞠子)はい。
皆さんカフェーで働いている方々なんです。
はぁ〜どうりできれいどころが多い訳だ。
でも今はもうカフェーじゃないんです。
昼間のお仕事が見つかって。
皆さんも。
私はまだ働いてるよ。
新橋の浪漫ってお店。
よかったらいらして。
そりゃあ一度行ってみねえとなあ。
そうですね。
で…料理の方はお気に召しましたかい?ええ味は申し分ありません。
でもこれを紹介しても喜ばれるかどうか…。
そうだねえ…。
これじゃあ難しいかもしれませんね。
(美子)どういう事でしょうか?
(艶子)この料理小麦粉以外に…。
ああそれは牛肉と西洋まつたけと…。
(弓子)そんなのどうやって手に入れるのさ。
たとえ手に入れたとしてもこんな手の込んだ料理とても作れません。
(お蝶)働いてると料理に時間をとれないんだよ。
なるほど…。
何か手軽にできるものってないですか?ん〜しかしなあ…。
小麦粉を使って手軽にできる料理って言われてもなあ…。
パンだって家庭で焼けるもんでもねえしなあ…。
…ったく欧米人も気が利かないねえ。
パンみたいな小難しいのじゃなくて混ぜて焼くだけみたいな料理を発明してくれりゃあいいのにね。
(常子)混ぜて焼くだけ…。
ホットケーキ!えっホットケーキってあの…昔百貨店で食べた茶色くて円い?そうそう。
ホットケーキはおやつだろ?主食じゃねえのにいいのか?でもシロップかけなければパンと同じじゃないですか?確かにおなかにもたまるわね。
ねっ。
でも本当に混ぜて焼くだけで出来るんですか?あんなもん簡単だよ。
誰でも家で焼けるぞ。
(一同)え〜?小麦粉をダマにならないようかき混ぜる。
ダマにならぬようかき混ぜます。
しっかし…常子がここの社長で編集長とはなあ。
大したもんだ。
編集長はもともと花山さんという方なんです。
今はしかたなくとと姉ちゃんがやってます。
よっちゃん。
お〜鞠子さっきそこにいたあいつどこ行った?水田さんですか?今はもろもろの支払いに…。
お前とうわさになってるのってひょっとしてそいつか?違います!水田さんとはそんなんじゃありません。
ご確認願います。
小麦粉の分量合ってます?アクセサリーの挿絵出来ました。
ご苦労さま。
手作りの温かみを出したいから全体的にこうもう少し優しい色合いにして。
それから原稿とのバランスも考え直してくれるかな。
そんな一度に言われても無理よ。
それに全体的にとかではなくてもっと具体的に説明して。
ごめん。
大体今後の編集作業どうするつもりなの?原稿確認や割り付けや印刷の色の具合全部花山さんがいなくてできるの?・こんばんは〜。
(久)ちょっとよろしいですか。
袴田さん!どうされたんですか?今日は小橋社長に紹介したい方がいまして。
松平さん。
お〜。
あなたがあの「あなたの暮し」を作ってらっしゃるんですか。
はい。
小橋と申します。
大東商事の松平さんです。
ご存じありません?旧財閥系の。
あっ存じ上げております。
松平です。
近くで会合がありまして一緒にお越し頂きました。
「あなたの暮し」は家内ともども毎号楽しみに読んでおります。
恐れ多いです。
次号には家内が考案した料理が掲載されるというからとっても楽しみにしているんですよ。
は?
(久)松平さん私は小橋さんと打ち合わせがありますので先にお店の方に。
ではまた。
では後ほど。
ええ。
いや〜楽しみだ。
(久)すぐに参りますので!申し訳ない!一体どういう事です?実は松平さんに我が校は多大な融資を受けておりまして最近「あなたの暮し」に広告を出し懇意にしていると話したところ是非奥様が考えた「ぽあそんあらあめりかん」という創作料理を次号に載せてほしいと言われまして思わず約束を。
これがその作り方です。
載せると言ってしまったんですか?申し訳ありません。
これを断るといろいろと面倒な問題が。
今回だけは私の顔を立てると思ってよろしくお願いします!回想
(花山)広告を載せてしまうと読者のための記事に制約が生まれるかもしれないんだぞ!ですから雑誌の内容には口を出さないように約束を取り付けました。
甘いよ常子さん。
(宗吉)一応作ってはみたけどな…。
これがポワソン・ア・ラ・アメリカン…。
(水田)豪華ですね。
車エビにタイですものね。
(照代)材料を手に入れるだけでも一苦労よね。
しかも完成まで半日か…。
ああ。
随分手間のかかる料理だぞ。
魚介類を煮込んでからパイ生地で包んで天火で焼くんだ。
パイ生地…。
とてもじゃねえが家庭で作れる代物じゃねえぞ。
とと姉どうする?本当に記事にするの?迷う事ないよ。
花山さんだったら「我々が作ってるのは庶民のための雑誌だ。
こんなメニュー取り上げてはいかん」っておっしゃるに決まってるわ。
それはこの料理を記事にするのを断るって事ですよね?記事を断ったら料理学校は広告をやめるって言ってくるんじゃない?それでいいじゃない。
もう広告は載せない。
今までどおりにすればいいだけよ。
いや…ちょっと待って下さい。
次号で入る広告料を計上して予算を組んでみましたがそれでも会社を維持するには精いっぱいです。
じゃあ…。
もしこの料理を載せないで広告料が入らないという事になれば次の号が「あなたの暮し」の最終号になってしまう可能性が高いんです。
だったらこれを記事にして会社を存続させる。
それしかないんじゃない?うん…。
そろそろ時間じゃない?あっ本当だ。
あ…じゃあ鞠ちゃんは坪内先生のところによっちゃんは菊池先生のところに原稿取りに行ってもらってもいい?分かった。
僕は一足先に会社に戻ります。
お願いします。
ありがとうございました。
おお…。
よっちゃん行くわよ。
失礼します。
ありがとうございます。
本当に驚いちゃうわ。
常子ちゃんが雑誌作りの社長さんだなんて。
雑誌を作りたいなんて前から言ってたっけ?いえ。
この世界に入ったのはたまたまなんです。
それでどうして作る事に?ん〜…自分で雑誌をと思ったのは戦後の混乱の中で必死に生きようとする女の人のために何かできないかなって。
それであれだろ?豊かな暮らしを取り戻す手助けをってな。
雑誌に書いてあった。
ええ。
豊かな暮らしってのがいいじゃねえか。
よくそんな事思いついたな。
それは花山さんのおかげです。
花山さんって辞められた編集長さん?はい。
花山さんと一緒に働く事でようやく自分のやりたい事にたどりつけたんです。
そうか…。
その花山って人と出会ったから今の雑誌を作る事ができたって訳か。
(鞠子美子)ただいま帰りました。
(君子)お帰りなさい。
常子は?お仕事?鈴木先生の原稿が書き上がるまでお宅で待たせて頂くと。
そう…遅くまで大変ねえ。
とと姉は社長と編集長どっちもですからね。
自業自得じゃない。
自分が花山さんを追い出したから。
まだ言ってるの?だってそうでしょ?花山さんのおっしゃるとおりにしないからこんな事になっちゃったんじゃない。
とと姉ちゃんは自分勝手なのよ。
美子。
あなたが怒っているのは妹として?それとも社員として?常子が気に入らない事をしたからといって怒っているならそれはただの姉妹げんかよ。
花山さんの事は会社の問題でしょ。
会社のために社長と力を合わせる事が社員には大事なんじゃないの?回想
(花山)人間の暮らしは何ものにも優先して一番大事なものなんだ。
もし豊かな暮らしを取り戻すきっかけとなる雑誌を作れるのなら…。
私となら…必ずできます。
始めましょう。
新しい雑誌作りを。
よろしくな。
常子さん。
君…君!あ…はいはい。
何をボ〜ッとしてるんだ。
書き上がったよ。
ほら。
ありがとうございます。
自分たちだけでやると心に決めたはずなのに常子の頭に花山の言葉が回り続けていました
2016/08/02(火) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 とと姉ちゃん(104)「常子、ホットケーキをつくる」[解][字][デ][再]

宗吉(ピエール瀧)が作った小麦粉料理は、おいしいが作り方が難しい。もっと簡単に作れる料理が知りたいという反応を受けて、常子(高畑充希)はホットケーキを思いつく。

詳細情報
番組内容
宗吉(ピエール瀧)が作った小麦粉料理は、入手困難な材料と複雑な課程で出来上ったものだった。もっと簡単に、混ぜて焼くだけで作れる料理が知りたいと、味見した梢(佐藤仁美)たちが言う。その言葉を受けて常子(高畑充希)が思いついたのが、ホットケーキ。妙案とばかりに原稿作成に取りかかるが、花山が抜けた穴は大きくうまくいかない。そんな時、広告を出した料理学校の副校長が現れ、常子たちに無理難題を押しつけてくる。
出演者
【出演】高畑充希,木村多江,相楽樹,杉咲花,ピエール瀧,平岩紙,佐藤仁美,阿部純子,【語り】檀ふみ
原作・脚本
【作】西田征史
音楽
【音楽】遠藤浩二

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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