防衛相に稲田氏 経産相は世耕氏
安倍晋三首相は3日、党役員人事を決定した後、内閣改造を行う。要職での起用を検討していた稲田朋美政調会長を防衛相に、世耕弘成官房副長官を経済産業相に就ける方針を固めた。また、「働き方改革」を担う担当相を新設し、加藤勝信1億総活躍担当相を留任、兼務させる。
丸川珠代環境相は閣内に残る。松本純元官房副長官、金田勝年元副外相、山本幸三元副経産相、松野博一元副文部科学相、鶴保庸介元副国土交通相、今村雅弘元副農相、山本公一元副総務相の初入閣が内定した。首相は2日、初入閣組に起用を伝えたが、ポストについては3日に伝えるとして明らかにしなかった。世耕氏の後任の官房副長官(参院)は野上浩太郎元副国交相が就く。
稲田氏は、第2次安倍内閣で行政改革担当相として初入閣。首相とも近く、当選4回で党四役に加え、2度目の閣僚経験となる。将来の首相候補として経験を積ませる狙いもありそうだ。世耕氏は12年12月の第2次安倍内閣発足以降、長期にわたって官房副長官を務め、首相の信任が厚い。
働き方改革は、首相の掲げる「1億総活躍プラン」の最重要課題。首相は長時間労働の是正や所得底上げなどの実現を目指している。担当相を置き、政権の重要課題として位置付けて改革を進める姿勢を明確にする。
首相は重要閣僚の多くを留任させ、政権の継続性と安定性をアピールしたい考えだ。加藤氏のほか、菅義偉官房長官、麻生太郎副総理兼財務相、岸田文雄外相、塩崎恭久厚生労働相、石井啓一国土交通相、高市早苗総務相、石原伸晃経済再生担当相が留任する。石破茂地方創生担当相は首相の入閣要請を固辞した。萩生田光一官房副長官は留任する。
党役員人事では、党四役である選対委員長に古屋圭司元拉致問題担当相を充てる方針を固めた。国会対策委員長には竹下亘前復興相の就任が内定した。ほかに幹事長に二階俊博総務会長、総務会長に細田博之幹事長代行、政調会長に茂木敏充選対委員長の起用が決まっている。佐藤勉国対委員長は衆院議院運営委員長に就く。
首相は3日午前に、新執行部を党本部に呼び、臨時総務会で新役員人事が正式決定する。政府は午後に臨時閣議を開き、現閣僚の辞表をとりまとめた後、新しい閣僚の名簿を発表。皇居での認証式を経て、第3次安倍再改造内閣が発足する。【佐藤慶】