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近く取り壊されるモノレールの駅舎ビル「高尾ビル」=姫路市高尾町(撮影・山崎 竜)
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近く取り壊されるモノレールの駅舎ビル「高尾ビル」=姫路市高尾町(撮影・山崎 竜)
山陽電鉄の線路をまたぐ(姫路市提供)
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山陽電鉄の線路をまたぐ(姫路市提供)
今もビル内に残る「大将軍駅」の駅名表示板(姫路市提供)
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今もビル内に残る「大将軍駅」の駅名表示板(姫路市提供)
「大将軍駅」の改札。左奥に切符売り場が見える(姫路市提供)
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「大将軍駅」の改札。左奥に切符売り場が見える(姫路市提供)
姫路駅方面へと延びていた軌道(姫路市提供)
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姫路駅方面へと延びていた軌道(姫路市提供)

 昭和40年代、東京に次ぐ全国2番目のモノレールとして開業し、わずか8年で運行を終えた旧姫路市営モノレールの駅舎ビル「高尾ビル」(同市高尾町)が、今月中に解体が始まる。住宅や店舗が入居するビル内を軌道が通る珍しい構造で、産業遺産として人気を集めたが、耐震基準を満たさなくなった。姫路市は惜しむ鉄道ファンらの要望を受け、13、14の両日、48年ぶりに公開する。(三島大一郎)

 同ビルは1966(昭和41)年、モノレールの開業に合わせて建設された。10階建ての3、4階部分に、唯一の中間駅「大将軍(だいしょうぐん)」があった。下層は飲食店など、5階以上は日本住宅公団(現UR都市機構)の賃貸住宅だった。

 モノレールはバスや鉄道に比べ運賃が割高で、距離も短いため利用が低迷。同駅は68年1月末に2年足らずで閉鎖され、モノレールも74年4月に営業休止に追い込まれた。

 同ビルはモノレール廃止後も1、2階のテナントが営業を続けていたが、老朽化に伴い2010年3月末に最後の店舗が閉鎖。耐震補強も検討されたが、市とURが12年末に解体を決めた。賃貸住宅は昨年5月に全ての入居者が退去した。

 市によると、解体決定後、全国の鉄道ファンから「駅舎を公開してほしい」と要望が殺到。ビル内に仮設照明を置くなどすれば公開できると判断した。

 ホームには改札や駅名表示板が当時のまま残っている。市街地に向けて延びる軌道も一部残り、「昭和の姫路」の面影を感じることができる。

 車両は、終点だった手柄山の駅舎跡にある展示室に保存されている。今も軌道や橋脚跡が点在し、市が劣化の目立つ箇所から順次、撤去を進めている。

 公開は両日とも4回実施。各回45分間、定員各50人(応募者多数の場合は抽選)。100円。5日までに申し込む。手柄山交流ステーションTEL079・299・2500

【姫路市営モノレール】1966(昭和41)年に開催された「姫路大博覧会」に合わせ開業。姫路駅から手柄山駅までの約1.6キロを約5分で結んだ。当時最新鋭のアルミ合金製の車体で、青と白色のデザインが市民らに親しまれた。1日最大4万人を運んだとされ、市街地の交通渋滞を解決する手段として期待されたが、74年に運休、79年に廃止された。

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