熊本市北区の市立中学校で4年前、組み体操の練習中に落下して頭を打ち、視力が落ちる後遺症が残ったとして、支援学級の1年生だった男子生徒(16)とその両親が、熊本市を相手取り、慰謝料など約4300万円の損害賠償を求める訴えを熊本地裁に起こした。

 提訴は6月24日付。訴状などによると、男子生徒は2012年5月、腰をかがめた別の生徒の上に馬乗りのような状態になった際にバランスを崩し後方に落下。後頭部を打ち、急性硬膜下血腫などと診断され、視力低下の後遺症が残った。当時、生徒の補助役の教員がそばにいなかったといい、生徒側は「(市側は)運動能力の面などから、組み体操の補助や見守り指導を行う義務があった」と主張している。

 市教委健康教育課は「事故を受け、各学校で再発防止に努めてきた。今後担当の弁護士に意見を聞き、対応していきたい」とした。(小原智恵)