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イサクの犠牲ー芸術のための聖書理解ー

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こんにちは、arto総研のToshiroです。いつもお読みいただきありがとうございます。今回は聖書に記されている「イサクの犠牲」に関する絵画を紹介しようと思います。

 イサクの犠牲

「イサクの犠牲」とはアブラハムに対する、神からの試練のことを言います。アブラハムには愛する息子がいるのですが、神は信仰の証として息子を捧げることを命じます。このことを「イサクの犠牲」と呼びます。

最初の預言者(予言ではありません)であるアブラハムにはイサクという非常に可愛がっていた息子がいました。アブラハムは心の底からイサクを愛していたのです。

そんな中、神はアブラハムに、その可愛い息子を生贄として捧げることを命じました。普通なら神とは言え躊躇するところですが、アブラハムは何のためらいもなくそれを実行に移します。

モリヤの山に入り、イサクを祭壇の上に載せ、刃物を振り下します。その時天使が現れ、イサクの手を止め、アブラハムの信仰心の深さを認めました。そしてイサクは神に祝福されます。その後、近くにいた羊をイサクの代わりに捧げました。

私の感覚では「イサクの犠牲」という呼び方が一番メジャーな気がするのですが、「イサク奉献」「イサクの燔祭」「イサクを捧げるアブラハム」など呼び方は様々です。

作品紹介

『イサクの犠牲』

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こちらはカラヴァッジョの作品です。中央のヒゲを生やしたおじいさんがアブラハムで、アブラハムに押さえられているのがイサクです。これは天使がアブラハムを止める瞬間を描いたもので、アブラハムは天使によって刃物を持つ手を止められています。イサクの右にいる羊がこの後生贄にされるのでしょう。本作のイサクは物凄く嫌そうな顔をしていますが、聖書にはこのような記述はありません。カラヴァッジョの解釈が伺えるのが興味深いですね。

『イサクの犠牲』

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こちらもカラヴァッジョの作品です。『イサクの犠牲』では先ほどの作品の方が有名なのですが、この作品もなかなかいいですね。先ほどのものよりも若干柔らかな印象を受けなくもないです。全然関係ないですがこのイサク、すごいイケメンに見えます。

『イサクの犠牲』

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こちらはレンブラントの作品です。『イサクの犠牲』を主題とした作品では一番有名かもしれません。この作品ではアブラハムはイサクの目を覆うようにして押さえています。なるべく痛みを感じさせないようにするための配慮でしょうか。イサクに光が集中していますが、まるで祝福を受けているかのよう。

『イサクの犠牲』

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こちらはアンドレア・デル・サルトによる作品です。こちらのイサクは祭壇に半分載ってるような感じになっていますね。その表情も悲痛に満ちています。

『イサクの犠牲』

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ティエポロによる作品です。イサクは目隠しをされており、手を結ばれているのか後ろに回されています。アブラハムの力強さがうまく表現されています。

 

今回もお読みいただきありがとうございました。
Toshiroでした。それではまた。