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片目の老人
おれとアオが森の中の道を歩いていると、座るのにちょうどいいくらいの大きさの石があり、その石の上に片目のない老人が腰掛けていた。老人は手に持っていたかなづちでアオを殴った。
アオは倒れて、ピンクのくちばしから黄緑色のどろどろしたものを吐いて痙攣した。
「やぶからぼうですね」とおれはいった。
老人はかなづちについたアオの体液をシャツでぬぐい、おもむろにおれに殴りかかってきた。おれがすばやくかわすと、老人は倒れているアオにつまずいて転んだ。
「大丈夫?」とおれが声をかけると、
「なかなかやりおるわい」、といって起き上がった老人がかなづちでまたアオを殴った。
「鳥のから揚げは好きかな?」と老人がいった。
「今はあまり食欲がないんで」、とおれはすまなさそうにいった。
「ついておいで」、といって老人が歩き出した。どの道ここは一本道だから、進むか戻るかしかない。おれは老人の後に続いた。
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