2016年7月29日、とうとう「Windows 10の無償アップグレード」が終了しました。その間、かなりの強制力を持った、うっとうしいアップグレードの誘いがあったり、インストールに関するさまざまなトラブルなどが報告されていました。
【画像】Windows OSのサポート終了時期一覧。Windows Vistaは終了まで1年を切っている
私個人としては、最新のOSにするために手間がかかったりトラブルが起こったとしても、マイクロソフトが最新のOSに施すセキュリティ対策に大きな価値があると考えてるのでささっとアップグレードしましたが、企業においてはやはり、もう少し時間が必要だとは思っています(そもそも企業においてはその無償アップグレードが提供されていませんし)。
ただ、個人でWindowsを使っている人の中には、無償アップグレードする道を選ばず、Windows 7、8.1などを使い続けると決めた人も多いでしょう。その選択は尊重すべきだと思っています。ただし、以下のことをほんのちょっとだけ、頭の片隅に入れていただければという前提条件が付きます。
●Windows Vista/7/8を利用するなら「最新のパッチの適用を」
これはWindows 10も同様ですが、全てのOSでは「利用可能な最新の更新プログラム」を適用することを心掛けてください。この更新プログラムで操作感が変わることはありませんし、トラブルなく適用できるはずです。
更新プログラムの適用でトラブルが起きた場合でも、ほとんどの場合は「世界で同時にトラブルが起きる」でしょうから、OSベンダーも素早い対応をするはずです。個人の利用であれば、2~3日様子を見るのはいいと思います。でも、2~3日たって大きなトラブルが報告されていなければ、速やかに最新の更新を受け入れるようにしてください。
“最新ではないOSを使う”ということは、同じOSを使う仲間が時間とともに減っていくわけですから、大きなトラブルがあっても見逃される可能性も増えてきます。ですので、できる限り情報を集めつつ、最新のパッチを適用する方向で積極的に動く必要があります。
●それでも、サポート期間が切れる前に「移行」の準備を
特にWindows Vistaを利用している場合、間もなく「延長サポート期間」が終了してしまうことも頭に入れておく必要があります。Windows Vistaの延長サポートは「2017年4月11日」。これを過ぎてしまうと更新プログラムの提供が行われなくなります。
Windows 7や8は、サポート期間についてはしばらく気にすることはないでしょう。もし、まだWindows XPを使い続けているという人は、急いで何らかの手を打ってください。Windows 10に乗れさえすれば、以降は大きなバージョンアップではなく細やかに自動アップデートが行われるため、次がきっと「最後のメジャーバージョンアップ」になるはずです。
●次の買い換えはWindows 10に? それとも……
実際のところ、Windows 10の無償アップグレードを見送った方のほとんどは「次に買い換えるときにWindows 10にすればいい」と思っているのではないかと想像します。また、そもそもPCをほとんど使っていない場合も、OSをアップグレードするという理由はほとんどないのではないかと思います。たまに電源を入れて調べ物をしてみたり、年賀状を印刷するという用途にしか使っていなかったとしたら、いくら無償とはいえOSアップグレードまでして……と思う気持ちも分かります。
“Windowsマシンをバリバリ使っているわけではないので、Windows 10を見送った”という場合、もはやPCは不要なのかもしれません。そんな場合は、Windowsではなく、AndroidやiOSといった「タブレット」を選ぶという手もあります。
タブレットはスマートフォンと同じ感覚でメールもWebも閲覧できますし、持ち運ぶのも簡単。データはクラウドに置くことがほとんどなので、一度タブレットを使うようになったら、もう「バックアップ」や「データ管理」などは気にしなくて良くなるかもしれません。
Windows 10アップグレードの「大騒動」は、2016年7月末をもって終了しました。その波にのまれなかった皆さんは、もしかしたら「タブレット」に向いている人たちなのかも……。この機会に、自分にとって「PCじゃないと出来ないこと」がどのくらいあるのか、棚卸ししてみるのもよさそうです。
●著者紹介:宮田健(みやた・たけし)
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。
筆者より:
2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法~1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。
これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。
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