ロシア大統領 ドーピング問題で欧米批判

ロシア大統領 ドーピング問題で欧米批判
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ドーピング問題で、来月5日に開幕するリオデジャネイロオリンピックの選手団が確定しない異例の事態となっているロシアで、プーチン大統領が、選手たちを前に演説し、「国際政治を支配するルールが、スポーツに持ち込まれようとしている」と述べ、欧米による圧力だと強く批判しました。
ロシアは、リオデジャネイロオリンピックの選手団をいったんは決定しましたが、IOC=国際オリンピック委員会が、ドーピング問題で今月24日、ロシア選手の出場に一定の条件を設けたため、開幕が来週に迫っているのに選手団が確定しない異例の事態となっています。
プーチン大統領は、27日、選手などおよそ150人を前に演説し、「国際政治を支配するルールが、スポーツに持ち込まれようとしている」と述べ、対立する欧米が、ドーピング問題でロシアに圧力をかけていると強く批判しました。
そのうえで「国際的なスポーツ団体は、選手たちを平等に扱うべきだ」と述べ、ロシア選手のオリンピック出場を認めるかどうか調査している国際競技団体に対し、クリーンな選手の出場を認めるよう求めました。
また、女子棒高跳びの女王、エレーナ・イシンバエワ選手も演説し、「陸上は、ドーピングとは無関係だと証明する機会も与えられず、屈辱的だ」と悔し涙を浮かべて訴えました。
そのうえで「ロシアのために戦って、ロシアの国歌を聞かせてほしい」と述べ、オリンピックに出場する選手たちを激励しました。

35人が出場を認められない状況に

組織的なドーピングが認定されたロシアの選手のリオデジャネイロオリンピックの出場について全選手が出場できない陸上を除きこれまでに4つの団体の合わせて35人が出場を認められない状況になっています。
IOCは組織的なドーピングが認定されたロシアについて、全選手が出場できない陸上を除くと国際競技団体が認めた場合などの条件つきで、リオデジャネイロオリンピックへの出場を認めることを決めました。
これを受けて各国際競技団体は、過去にドーピング違反をしていないことなどIOCが出した条件を踏まえ、対応を急いでいます。
ロシアが出場権を獲得しているのは、陸上を除くと22競技で、NHKが日本時間の28日午前0時現在でまとめたところ、ボートが最も多く22人、水泳が7人、カヌーが5人、近代五種が1人で出場を認められなかった選手の数は合わせて35人となっています。
一方、出場登録をしたすべての選手の出場を認めたか、認める方針なのは、テニス、アーチェリー、馬術、射撃、トライアスロン、バレーボール、柔道、セーリングで、新たにフェンシングも16人全員の出場を認めました。また、「調査中」は、体操、ボクシング、ウエイトリフティング、ハンドボール、レスリングの5団体、「近く判断する」としているのは卓球、テコンドーの2団体です。
ここまでは、IOCの条件に沿う形での判断が続いていて、開幕を来月5日に控え、各競技団体の検討が大詰めを迎えています。