米国務長官がフィリピン訪問 中国への対応など協議へ

ASEAN=東南アジア諸国連合の一連の外相会議に出席したアメリカのケリー国務長官は、フィリピンを訪問し、27日、ドゥテルテ大統領と会談して、南シナ海を巡る国際的な仲裁裁判の判断を踏まえ、今後の中国への対応などについて意見を交わすことにしています。
ラオスで開かれたASEANの一連の外相会議に出席したアメリカのケリー国務長官は、26日夜、次の訪問先のフィリピンに到着しました。
ケリー長官は、27日、ドゥテルテ大統領と会談して、南シナ海を巡って中国の主張を否定した国際的な仲裁裁判の判断を踏まえ、今後の中国への対応などについて意見を交わすことにしています。
仲裁裁判の判断を巡っては、アメリカが中国に判断を受け入れるよう求めているのに対して、中国はこれを拒否し、反発を強めています。
また、ラオスで開かれたASEANの外相会議では、フィリピンなどと中国が強い影響力を持つ国との間で意見が対立し、共同声明では仲裁裁判について一切言及されないなど、ASEANとして一致した対応が取れていません。
このため、アメリカとしては、今回の会談を通じて、先月に発足したばかりのドゥテルテ政権との関係強化を図り、中国に対して、法の支配に基づいた平和的な解決を引き続き促していきたいねらいがあるものとみられます。