公取委 スマホ販売 大手通信会社に是正求める方針

公取委 スマホ販売 大手通信会社に是正求める方針
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スマートフォンの販売を巡って、公正取引委員会は、端末代金の総額を固定し販売店に値引きをさせない方法など、独占禁止法上、問題になるとみられる事例を報告書としてまとめ、今後、大手通信会社などに対して是正を求める方針です。
スマートフォンの販売を巡っては、総務省がガイドラインを作って大手通信会社に不公平な販売方法の見直しを求めていますが、今回、公正取引委員会は、独占禁止法に照らして今の販売方法に問題がないかどうかを検証し、報告書をまとめました。
それによりますと、大手通信会社が端末代金を分割にする代わりに代金の総額を固定し販売店に値引きをさせない方法は、自由な価格設定を妨げるなど、独占禁止法上、問題があるとしています。
また、長期契約を条件に毎月の通信料金から端末代金を大幅に割り引く一方、途中で解約した場合に高額な料金を課すといった販売方法のほか、スマートフォン端末のメーカーが大手通信会社に対して中古端末を国内で流通させないよう制限をかけるような行為についても、新規参入を阻むなど問題になるおそれがあると指摘しています。
公正取引委員会は、報告書で指摘した行為を確認した場合は関係する大手通信会社やメーカーに是正を求める方針です。
公正取引委員会の山田昭典経済取引局長は「市場での競争を通じた通信料金や端末価格の低廉化が必要だ。厳正に審査したい」と話しています。

大手通信会社3社の反応

公正取引委員会がまとめた報告書について、KDDIの田中孝司社長は2日の決算発表の会見で、「スマートフォンの販売価格は販売店に強制してはいけないことになっており、われわれがそこまでやることはないので、ご理解いただきたい」と述べました。
また、NTTドコモは「報告書の内容も踏まえて引き続き適正な販売やサービスの向上に努めていく」としたうえで、新規参入の阻害や代理店独自の割引の実施を制限しておらず、「独禁法に抵触するような販売方法ではない」とコメントしています。
一方、ソフトバンクは「内容詳細を確認のうえ、今後の対応を検討します」とコメントしています。

総務相「競争の促進に寄与する」

公正取引委員会がまとめた報告書について、高市総務大臣は2日の記者会見で、「独占禁止法を所管する立場から携帯電話市場における競争政策上の課題に関する考え方が示されたもので、競争の促進に寄与すると考えている。総務省としては、大手通信会社に対し、携帯電話の利用者にとって分かりやすく納得感のある料金やサービスを提供するようしっかりと促していきたい」と述べました。