ただロバンソンのことだけを
なんとなくブログタイトルのピロクテテスで検索したら格闘技のジムがヒットした。
そういやピロクテテスって戦闘に強かったんだっけ。
そのちょっと下にこのブログが出てくるんだが、
歴戦の勇士の名前で検索したら
こんな弱っちい中年男のブログが出てくるなんてなんだか申し訳ない。
もうちょっと考えて名前付けたほうがよかったかな。
ピロクテテスはトロイア戦争に参加してたけど、途中でヘビに噛まれて
その傷が治らず、またそれがえらい悪臭を放つんで
オデュッセウスに「おめえマジくっせえんだよ、もう連れてかね!」って島に置き去りにされた。
10年後ピロクテテスが持ってる弓が必要になって
「わりぃ、やっぱおまえ必要だったわ!怒んないでね、ゴメンご。グフフ…」ってオデュッセウスに連れ戻されて
その後のトロイア戦争で活躍する。
おれはソポクレスの作品でこの話を読んだと思うけど
それは確か置いてきぼりにされたところから始まってて、
そのイメージがすごく印象に残っているのだ。
10年後戦場に戻って活躍するとか、凄腕の戦士だとかそんなのはどうでもよくて
島に置いてきぼりにされて、ああみんな行っちゃったーって海を眺めてるイメージ。
待ちぼうけてるピロクテテスの姿。それはなんだかすごく心が惹き込まれるのだ。
そういえばこのブログは前にやってたブログを一回潰して
1,2年してまた新たに始めたものなのだが
(その際前のブログの記事は半分以上捨てちまった。―ああ貴重な資料とクスッと笑える文章たちよ!)
その前のブログのタイトルは、ベラックワのたいぎい日記といった。
ベラックワってのはダンテの神曲煉獄篇に出てくる男。
煉獄前地でみんな上の天国へ登ろうと並んで順番を待ってるのに
ベラックワだけは岩陰で気の抜けた格好で座り込んでる。
「なんで座ってるんだ?」とダンテさんに問われたベラックワは無気力そうにこう答える。
「おまえ上に行って何になるー?」
さいこうだね。もちろんベケットの初期作品の主人公の名前がベラックワなのもお気に入りの理由だ。
古典にも魅力的な人物っては出てくるもんだ。
まあおれはそこまで古典読み込んでるわけではないんだけど。
(これは全くの余談だがギリシャ文学の話に戻ると、みんなホメロスだオイディプス王だなんだ言うけど、おれに言わせりゃ重要なのはアリストファネスよ、アリストファネス!みんな彼を忘れてないか?あの罵詈雑言の躁病喜劇!ラブレーもセリーヌも元を辿ればアリストファネスよ!)
おれは小説の人物に自分を重ね合わせる的な読み方はあまりしない方だと思うんだが
それでもときには自分に相寄り過ぎてるようで考えずにはいられない人物というのがいるものだ。
たとえば幾つかの作品に出てくるデュラスの2番目の兄、
たとえば正宗白鳥のリー兄さん、
たとえば無為のなかで寝そべっているオブローモフ、
そして誰よりも夜の果てへの旅の影の主人公、ロバンソンだ。
若い頃は特にロバンソンのことを考えて胸が締めつけられる夜が幾つもあったものだ。
まったく小説の登場人物のことを思い浮かべるなんて馬鹿げたことには違いないが
どうしたって考えずにはいられないじゃないか。
何もかもがうんざりなんだ!人生の最後にようやく訪れた幸福を捨ててそう叫んだロバンソンの姿を。
いかんせん自分が読むような本を読む人が、
というかそもそも本を読む人がまわりにいるような環境にいたことないから
本の話を実生活でしたいという欲求すらもはやほとんどないんだけど、
たまには本のことを書きたくなっちゃう日もあるのだ。
おれはビートジェネレーションの人たちの本は1ミリもおもしろいとは思えないのだが(まあポール・ボウルズは除くとしよう)
いつかケルアックがセリーヌのことを書いている文章を読んだことがあって、
というかほぼロバンソンへの思いを綴ってあってそれはすごくいい文章だったのだが、
幾ら普段つまらなくてもあんな文章を書かれたら、こんな日はケルアックを抱擁したくなってくるよ。
その文章でケルアックはこう書いていた。
私はただロバンソンのことを考えている。
そうなんだ、おれはいまでもロバンソンのことを考えている。
そういやピロクテテスって戦闘に強かったんだっけ。
そのちょっと下にこのブログが出てくるんだが、
歴戦の勇士の名前で検索したら
こんな弱っちい中年男のブログが出てくるなんてなんだか申し訳ない。
もうちょっと考えて名前付けたほうがよかったかな。
ピロクテテスはトロイア戦争に参加してたけど、途中でヘビに噛まれて
その傷が治らず、またそれがえらい悪臭を放つんで
オデュッセウスに「おめえマジくっせえんだよ、もう連れてかね!」って島に置き去りにされた。
10年後ピロクテテスが持ってる弓が必要になって
「わりぃ、やっぱおまえ必要だったわ!怒んないでね、ゴメンご。グフフ…」ってオデュッセウスに連れ戻されて
その後のトロイア戦争で活躍する。
おれはソポクレスの作品でこの話を読んだと思うけど
それは確か置いてきぼりにされたところから始まってて、
そのイメージがすごく印象に残っているのだ。
10年後戦場に戻って活躍するとか、凄腕の戦士だとかそんなのはどうでもよくて
島に置いてきぼりにされて、ああみんな行っちゃったーって海を眺めてるイメージ。
待ちぼうけてるピロクテテスの姿。それはなんだかすごく心が惹き込まれるのだ。
そういえばこのブログは前にやってたブログを一回潰して
1,2年してまた新たに始めたものなのだが
(その際前のブログの記事は半分以上捨てちまった。―ああ貴重な資料とクスッと笑える文章たちよ!)
その前のブログのタイトルは、ベラックワのたいぎい日記といった。
ベラックワってのはダンテの神曲煉獄篇に出てくる男。
煉獄前地でみんな上の天国へ登ろうと並んで順番を待ってるのに
ベラックワだけは岩陰で気の抜けた格好で座り込んでる。
「なんで座ってるんだ?」とダンテさんに問われたベラックワは無気力そうにこう答える。
「おまえ上に行って何になるー?」
さいこうだね。もちろんベケットの初期作品の主人公の名前がベラックワなのもお気に入りの理由だ。
古典にも魅力的な人物っては出てくるもんだ。
まあおれはそこまで古典読み込んでるわけではないんだけど。
(これは全くの余談だがギリシャ文学の話に戻ると、みんなホメロスだオイディプス王だなんだ言うけど、おれに言わせりゃ重要なのはアリストファネスよ、アリストファネス!みんな彼を忘れてないか?あの罵詈雑言の躁病喜劇!ラブレーもセリーヌも元を辿ればアリストファネスよ!)
おれは小説の人物に自分を重ね合わせる的な読み方はあまりしない方だと思うんだが
それでもときには自分に相寄り過ぎてるようで考えずにはいられない人物というのがいるものだ。
たとえば幾つかの作品に出てくるデュラスの2番目の兄、
たとえば正宗白鳥のリー兄さん、
たとえば無為のなかで寝そべっているオブローモフ、
そして誰よりも夜の果てへの旅の影の主人公、ロバンソンだ。
若い頃は特にロバンソンのことを考えて胸が締めつけられる夜が幾つもあったものだ。
まったく小説の登場人物のことを思い浮かべるなんて馬鹿げたことには違いないが
どうしたって考えずにはいられないじゃないか。
何もかもがうんざりなんだ!人生の最後にようやく訪れた幸福を捨ててそう叫んだロバンソンの姿を。
いかんせん自分が読むような本を読む人が、
というかそもそも本を読む人がまわりにいるような環境にいたことないから
本の話を実生活でしたいという欲求すらもはやほとんどないんだけど、
たまには本のことを書きたくなっちゃう日もあるのだ。
おれはビートジェネレーションの人たちの本は1ミリもおもしろいとは思えないのだが(まあポール・ボウルズは除くとしよう)
いつかケルアックがセリーヌのことを書いている文章を読んだことがあって、
というかほぼロバンソンへの思いを綴ってあってそれはすごくいい文章だったのだが、
幾ら普段つまらなくてもあんな文章を書かれたら、こんな日はケルアックを抱擁したくなってくるよ。
その文章でケルアックはこう書いていた。
私はただロバンソンのことを考えている。
そうなんだ、おれはいまでもロバンソンのことを考えている。
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