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【格闘技】

山本美憂、総合格闘家へ転向

2016年8月2日 紙面から

一致団結ぶりをアピールする山本家。上段左から山本KID、山本美憂、郁栄さん。下段は美憂の長女と次男=東京都内で(大西洋和撮影)

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 女子レスリングで世界選手権を3度制した山本美憂(41)が1日、プロの総合格闘家転向を宣言した。東京都内のホテルで記者会見し、9月25日のRIZINさいたまスーパーアリーナ大会に出場することを発表した。相手は未定。大会には昨年末にプロ格闘家デビューした長男の山本アーセン(19)の試合も予定されており、総合格闘技では世界的にも珍しい母子同時出場となる。

 山本は2011年にレスリングの現役に復帰。トロントに拠点を移してカナダ代表としてリオ五輪出場を目指していた。しかし、予選出場に必要な市民権の取得が間に合わないことなどで断念。獲得を目指していたRIZIN側からのオファーを受けた形だ。

 「五輪は一区切りつけた」。今後は東京五輪よりも総合格闘技を優先。転向を決めたとき、父でミュンヘン五輪レスリング代表の郁栄さんは「美憂は生涯現役だ」と賛成したが、弟のKIDはパンチやキックなど打撃の経験不足から「組み技だけにしたら」と首をかしげたという。しかし、美憂は「レスリングにこだわるつもりはない」と総合にこだわった。現在は、KIDの指導で猛特訓中。長男のアーセンとの練習も「親子のいい時間を持てる。幸せ」と話した。

 デビュー戦時は42歳になるが、つい最近まで五輪を目指していたこともあって、年齢的な衰えや不安はない。組み技系の選手が総合格闘技に転向する際、相手の顔を殴ることをためらうケースが多いが、「勝つためだったら殴る」と断言。「笑顔でリングを降りて家に帰りたい。(まだ幼い)子どもを寝かしつけたりしないといけないので…。デビューして、その先のことも考えている」。ママさんファイターとして新しい世界の頂点を目指す決意を表した。(大西洋和)

 <山本美憂(やまもと・みゆう)> 1974(昭和49)年8月4日生まれ、川崎市出身の41歳。156センチ、50キロ。レスリングのミュンヘン五輪代表だった父・郁栄さんの英才教育で小学生時代から競技を始める。17歳だった91年世界選手権47キロ級を史上最年少で制覇するなど、同大会3度優勝。その後結婚・出産などで引退したが、2011年6月現役復帰。弟は格闘家の山本“KID”徳郁、妹は女子レスリングの山本聖子、長男は格闘家の山本アーセン。ほかに2児がいる。

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