ブログで地域を盛り上げようと思っているのであれば、その地域の観光スポットや名産品について情報発信するのももちろん大切だ。
しかし、その地域と関係のない情報を発信していくことも地域振興においては有効であると僕は考えている。
その理由をお話ししよう。
歌志内市
例えば
「北海道の歌志内市を盛り上げるようなブログを書こう」
と思って歌志内市の郷土料理「なんこ鍋」の画像や、かもい高原の雲海の写真ばかりを大量に載せていたとしよう。
全く興味のない人間がそのサイトを見てくれるだろうか?
「あーなんこ鍋おいしそー、歌志内行ってみたいなー。」
と思えるだろうか。
中にはそう思える人もいるかもしれないが、そもそもそういう情報しか載せていないブログを、わくわくしながら巡回する人がどれだけいるのかという話だ。
多分そんな全く知らない土地の郷土料理や観光名所の写真ばかりを見せられても面白いと思える人はそう多くないだろう。
少なくとも、面白いと思えるのは実際にその土地に行ってからだ。
では、自分の地域に来てもらいたいと思ってもらえるにはどうしたらいいのか。
それは、その地域とは全く関係ないジャンルの記事もあげるということだ。
そもそも、その地域名で検索する人といえば、その地域に住んでいる人や、既にその地域に興味を持っている人、観光でこれから行こうとしている人だ。
こういう人たちが検索をかけてそのブログを見たところで、そのブログがその地域に興味を持たせられたと言えるだろうか。
いや、検索をかけて訪れたユーザーは既にその地域に興味を持って訪れているので、そのブログが関心を向けたとは言えない。
むしろ、既に興味を持ってそのブログを訪れている人は、他のテレビや雑誌などの媒体で興味を持った上でそのブログを訪れているので、称賛されるべきは最初に興味を持たせた媒体であって、検索に引っかかったブログではない。
それらの地域情報ブログは訪れたユーザーに補完的に情報を提供したに過ぎない。
その地域に全く興味のない人たちを振り向かせて初めて、そのサイトやブログが地域振興に貢献していると言えると僕は思うのだ。
ゲーマー
例えば、歌志内市のブロガーが「歌志内と生きる」というブログタイトルでゲームの記事を書いたとしよう。
そして、ゲームの攻略サイトを探しているユーザーがたまたま「歌志内と生きる」というタイトルのブログを発見することになる。
99%のユーザーはゲームの情報を知りたいので、ブログタイトルなんか全く気にしないかもしれないが、1%くらいの人は「歌志内って何?人名?地名?」などという疑問を持つかもしれない。
この1%のユーザーをガッチリつかむのだ。
そして、その記事を見るゲーマーたちの関心をつかめるよう、内部リンクを張り巡らせる。
具体的には、記事下に表示するおすすめの記事に歌志内の地域情報記事を表示させたり、グローバルナビに歌志内関連のカテゴリーを載せたりする。
もちろん、大半のユーザーはそのゲームにしか興味がないので直帰してしまうだろうが、少なからずそのブログのリンクを巡回してくれる人も出てくるだろう。
そうすることができれば、歌志内に全く関心のない「ゲーマー」という人種を歌志内に多少なり関心を向けることに成功したと言えよう。
もちろんこれはゲームの記事に限った話ではなく、漫画やアニメのレビュー記事でもいいし、炎上狙いのプロブロガーを論じる記事でもいい。
結論
要するに、人ってのは押し付けられるのが嫌なのだ。
無理やり関心を向けさせられるのが嫌で、興味を持つときは自分から主体的に興味を持ちたいのだ。
地域情報サイト・ブログは
「どうだ、うちの地域はこんなにすごいんだぞ」
という記事ばかりを書いてユーザーに情報を押し付けようとするのではなく、全く地域情報とは関係のない記事の合間にさりげなーく地域情報記事をぽつぽつ配置して、ユーザーが自ら興味を抱けるような環境を整えてあげるのだ。
そうすることにより、決して多くはないだろうが、その地域に全く興味や関心のなかったユーザーを多少なり振り向かせることが出来るようになるだろう。
地域情報を提供するブロガーたちは、是非その地域とは関係のないこともたくさん書いてみてはいかがだろうか。