都政、始動…信頼回復訴える
東京都知事選で当選した小池百合子氏(64)は2日午前、新宿区の都庁に初登庁した。初の女性都知事として執務室で知事の椅子に座った小池氏は「1360万都民の思いをしっかり受け止め頑張っていきたい」と述べ、停滞する都政の再起動を誓った。【高橋昌紀、円谷美晶、柳澤一男】
都職員には「情報公開で信頼を回復していきたい」と訓示した。
一方、出馬表明から対立してきた都議会自民党へのあいさつは数十秒で終わった。華々しく迎えられた登庁時の晴天から一転、昼前には雲が空を覆い、波乱含みの船出を予感させた。
小池氏は東京消防庁音楽隊が演奏する「東京オリンピック・マーチ」が鳴り響く中、午前9時半過ぎに都庁2階の正面玄関に到着し職員ら約1000人の出迎えを受けた。都知事選で陣営のシンボルカラーだった緑色のシャツを着たり手ぬぐいを持ったりした支持者ら十数人も駆け付けた。
選挙戦で着用した緑色を基調とした洋服ではなく、この日の小池氏は青いシャツに白い上下のスーツ姿で車から降りた。
名前にちなんだ白いユリと緑色のトルコギキョウなどで作った花束を女性職員から受け取り、緊張した面持ちでカメラのフラッシュを浴びた。
登庁後は当選証書付与式に始まり分刻みのスケジュールをこなした。知事執務室で黒い革張りの椅子に腰掛け、報道陣の「どうですか?」との問い掛けに10秒ほど考え「感無量です。非常に責任を感じている」とかみしめるように話した。
都議会各会派へのあいさつでは、公約で「(不信任案可決を踏まえた)都議会冒頭解散」を突き付けた最大会派の自民党の控室も訪れた。都議会自民党は小池氏の出馬表明に反発し、元総務相の増田寛也氏(64)擁立を強く唱えていた。
控室では総務会長の高橋信博都議が対応し、小池氏が「よろしくお願いします」と右手を差し出すと、高橋氏も「よろしくお願いします」と応じて握手を交わした。高橋氏は「(会派役員の)幹事長と政調会長は留守です」と伝え、5分を予定していたあいさつは数十秒で終わった。
この後、小池氏は都職員への訓示に臨み「私は知事給与の半減を約束しました。皆さんには都民ファーストを徹底していただきたい。できない理由ではなく、できる方法を探していきましょう」と述べた。
2日午後、知事就任の記者会見を行った。