中国では、先進国企業の下請け企業が、ひどい公害汚染をもたらしている。その対策をするように申し出を受けた先進国企業は、下請け企業に改善を指導することが多い。
しかし、アップルだけは例外で、「どの企業が下請けをしているかは企業秘密だ」と言って、申し出を拒否している。ブラック企業。(水俣病が起こっているとわかっても放置するようなものだ。)
そこで、「アップルはこんなにひどい企業だ」と言うことをネットで拡散したら、アップルも渋々ながら、自社の問題点を認識しかけているらしい。しかしいまだに改善はなされないまま。
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以上は、要旨だ。詳しくは、下記の記事。
→ 環境NGO代表・馬軍さんに聞く (朝日新聞)
※ 朝日・朝刊 2012-06-30 に詳しい全文が掲載されている。
一部抜粋。
「ある取引先の部品工場は重金属が混じった廃水を垂れ流し、川は乳白色に変わっていた。月給2千元(約2万5千円)の工場で働いているうちに、化学品の中毒になった人にも会った。工場を調べていると、村人が大勢集まってきて、汚れた川の水をビンに入れ、助けてほしい、と訴えられたこともありました」そこで先進企業に対策を依頼したが、アップルだけは拒否した。
「部品の発注先は公開しない、ビジネス上の秘密だと。知的財産権を奪おうとしているわけではない、と説明しましたがダメでした。そこで独自の現地調査に踏み切り、昨年、『アップルのもうひとつの顔』という映像付きの報告をまとめてホームページに載せました」
ここで言う「アップルのもうひとつの顔」とは、次の情報のことだ。(英文)
→ The Other Side of Apple (PDF)
映像も二つある。内容は別。
( ※ 後者が英文でわかりやすい。前者は中国語でわかりにくいし、情報も少ない。)
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世の中にはアップル信者が多いが、アップルというのはこういう会社なのだ。水俣病のチッソと同様。
[ 付記1 ]
「 iPhone や iPad は安くて高性能だ」
なんて喜んで使っている人が多いだろうが、そうやって人々が iPhone や iPad を買うたびに、公害の被害で人生を破壊される人々が増えるわけだ。消費者もまた、加担者となっている。反省した方がいい。
「 iPhone や iPad は安くて高性能だ」
なんて宣伝することは、被害を拡張することになる。むしろ、
「 iPhone や iPad の購入をやめましょう。そうすれば、公害の被害者が減ります」
と語るべきだ。
[ 付記2 ]
ただし、アップルがまったく何もしていないわけではない。最近になって、変わってきたようだ。
フィナンシャル・タイムズによると、前述の公衆環境研究中心などの環境保護団体は、2010年に29社の環境汚染問題について調査した結果を公開したが、その際対策を講じなかったのはアップル1社だけだった。この記事は 2012.04.18 のものだが、その後、どういうレポートを出したかは、不明。
(しかし)今後数週間以内にアップル製品のプリント基板を製造している工場の調査を開始する。
アップルがこうして中国工場の問題に取り組み始めたのは、昨年8月にティム・クック最高経営責任者(CEO)が同職に就任したことがきっかけになったと言われている。
( → JBpress 2012.04.18 )
上記の朝日新聞の記事からすると、調査はしても、公開はしていないようだ。ちょっと東電みたい。
[ 付記3 ]
英文情報を調べてみたが、昨年の情報と、4月の情報(すぐ上のこと)だけで、それ以後の情報は見つからなかった。(期間指定して、ここ1カ月の情報を探しても、見つからない。)
→ apple pollution - Google 検索
→ apple pollution - Google 検索(期間指定)
やっぱり、何もしていないんですね。「やります」というポーズだけ。
タイムスタンプは 下記 ↓
とても面白い内容で、勉強させて頂いております。