石破氏、閣内残留固辞 「一党員として内閣支える」
総務会長に細田氏、政調会長に茂木氏 安倍首相方針固める
安倍晋三首相は3日に行う内閣改造・自民党役員人事で、総務会長に細田博之幹事長代行、政調会長に茂木敏充選対委員長を充てる方針を固めた。また、石破茂地方創生担当相は1日、閣外に出る意向を固め、首相に伝えた。
関係者によると石破氏は首相から農相など複数のポストを提示され、閣内にとどまるよう要請されたが、石破氏は「閣内に残らずに一党員としての立場で安倍内閣を支える」として、閣外に出る考えを伝えた。「ポスト安倍」をにらんだ準備に入るとみられる。党内に一定の影響力を持つ石破氏が閣外に出ることで、今後、「非安倍勢力」の核となる可能性もある。
このほかの人事では、塩崎恭久厚生労働相、高市早苗総務相、石原伸晃経済再生担当相は留任で調整。また、公明党の山口那津男代表からの続投要請を踏まえて、同党の石井啓一国土交通相の留任が内定した。稲田朋美政調会長は入閣させる方針だ。高村正彦副総裁は留任させる。
首相は1日の自民党役員会で人事について総裁(首相)一任を取り付けた。その後、首相官邸で細田氏と会談し、総務会長への就任を打診した。細田氏は衆院当選9回で官房長官、幹事長などを歴任した。茂木氏は衆院当選8回で、行革担当相、経済産業相を歴任し、政策通として知られる。
首相は内閣の骨格は維持する考えで、これまでに菅義偉官房長官、麻生太郎副総理兼財務相、岸田文雄外相の続投方針を決めている。塩崎、高市、石原、石井氏も続投となれば重要閣僚の多くが留任することとなる。
首相は、谷垣禎一幹事長についても留任を望んでいたが、サイクリング中の転倒事故で復帰の見通しがはっきりしないため断念し、後任に二階俊博総務会長を充てることとした。【佐藤慶】