野党共闘に見直し圧力=民進、路線対立激化か【都知事選】
松原仁党都連会長は31日夜、記者団に「4党の結集が数字の上で十分できなかった。結果を厳粛に受け止め、次への考え方をつくっていかなければならない」と総括。投票前日に岡田克也代表が代表選への不出馬を表明したことについては「理解に苦しむ」と不快感を示した。
鳥越氏の擁立は、4野党の枠組みを重視する岡田氏らが都連の頭越しに決めた。党支持層からも小池百合子元防衛相に一定の票が流れたとみられ、保守系議員の一人は「完全に執行部の失策だ。共産党に近づき過ぎると、国民が政権を任せる気を失う」と批判した。
代表選出馬に意欲を見せる保守系の前原誠司元外相や細野豪志元環境相は「野党共闘の枠組みありきの議論は修正すべきだ」との立場。旧維新の党系も交え、保守系による候補一本化を目指して調整を急ぐ考えだ。
これに対し岡田氏は、後継の代表に共闘路線を継承する人物を据えたい考え。党内には蓮舫代表代行や枝野幸男幹事長らを推す声がある。枝野氏は31日、記者団に「岡田氏がつくり上げてきたものをさらに発展させていくことが政権への近道」と強調。長妻昭代表代行も「4党の枠組みが原因で敗北したわけではない。野党が一緒に戦うことがマイナスとは思わない」と述べた。
一方、共産、生活、社民の3党は、共闘態勢を堅持したい意向だ。共産党の小池晃書記局長は同日、記者団に「共闘は公党間で確認した合意だ。民進党でどういう人事が行われたとしても(実行を)求めていく」と述べ、協力拡大を呼び掛ける考えを示した。