北朝鮮の核実験施設周辺で健康被害続出

 この男性と同じく3回の核実験を経験して昨年1月に脱北した50代の女性も「わたしはにおいに敏感なことで現地では有名だったが、3回目の核実験直後の2013年5月ごろから突然においが分からなくなり、同じ頃に味覚も分からなくなって頭がぼうっとするなどの症状も出始めた」と証言した。この女性はつい先日、吉州郡に住む親戚と電話で話したそうだが、その時に聞いた話として「今年20代の後半になる息子は13年(3回目の核実験)から汗が大量に出て全身の力が抜ける病気にかかっていたが、4回目(今年1月)からは症状がさらにひどくなったらしい」とも語った。

 2回の核実験を経験した別の男性は「2010年から視力が低下し、不眠症に苦しむようになった。病院に行くと『珍しい病気』としか言われなかった」などと証言した。この男性と同じく核実験に伴う地震を経験したという別の男性も「10年から吉州では肋膜(ろくまく)炎(胸膜炎)や急性結核の患者が突然増えた」「薬をかかさず飲んでも症状が改善しないといううわさも広まっていた」と明らかにした。1回目の核実験を経験した別の人物も「消化不良や胃痛の症状が出た」と証言している。

 核実験が周辺住民に健康被害をもたらす可能性があることについて、脱北者らは韓国にやって来て初めて知ることになるという。3回の核実験を経験した上記の40代男性は「吉州にいた時は、核実験が行われるたびにそれが危険だとは一切知らされず『われわれも核強国になった』という誇りをただ強く持つだけだった」「核実験による放射能汚染の恐ろしさについて全く知らなかった」などと述べている。上記の50代女性も「核開発施設のある寧辺郡で奇形児が生まれたといううわさを聞いたことがあるが、吉州郡では問題ないと思って生活していた」「昨年、韓国で広島での原爆投下70年に関するドキュメンタリー番組を見て、原爆被爆者の症状と吉州での鬼神病の症状がよく似ていると感じた」と証言した。

キム・ミョンソン記者
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