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【芸能・社会】

裕次郎記念館、来年8月末に閉館へ 26年の歴史に幕

2016年8月2日 紙面から

観光客でにぎわう石原裕次郎記念館=北海道小樽市で(2003年撮影)

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 昭和の大スター、石原裕次郎さんの遺品などを展示する「石原裕次郎記念館」(北海道小樽市)が来年8月末で閉館することが1日、分かった。同館は裕次郎さんの衣装や映像が見学できる施設として、多数のファンが訪れ、人気を博していた。しかし、建物の老朽化などから26年の歴史に終止符を打つ。今後は常設の記念館ではなく、展示会を東京都内などで不定期で開き、裕次郎さんゆかりの品をファンに見学してもらうという。

 記念館は1991年に開館。裕次郎さんが3〜9歳までを小樽で過ごしたことから設立された。裕次郎さんの衣装やレコードなどを展示。2011年には裕次郎さんや渡哲也(74)、舘ひろし(66)ら「石原軍団」の出演で人気を得た刑事ドラマ「西部警察」で使用した、車やバイクの展示除幕式セレモニーも行われた。

 同館は、閉館の理由を「建物が長年の寒冷地による風雪・塩害でダメージが大きく、不特定多数のお客さまをお迎え入れるには危険と判断した」と説明する。設備も映像機器の製造中止、ブラウン管から液晶への移り変わり、ボイラー部品の製造終了、ライフラインの老朽化による水漏れなどがあるとした。

 さらにファンの高齢化に伴い、遠方のファンからは「足腰が悪くて行きたくても行けない」との声も増えてきたという。今後は東京都内などのデパートや施設などで「記念館から皆さまの地に出向いて展示を行いたい」と不定期の展示会を開催する意向だ。

 遺品の多くは東京・成城にある裕次郎さんの自宅に戻す予定。裕次郎さんの愛車のベンツやロールスロイスも自宅に“帰宅”する。自宅には今も裕次郎さんの妻で、石原プロモーション会長のまき子さん(83)が住んでいる。一部は小樽市内の博物館に寄贈する計画もあるという。

 記念館では閉館までに特別な催し物は考えていないとし「できるだけ静かな形でフェードアウトしたい」としている。同館の浅野謙治郎館長は、長年ファンを楽しませてきた遺品に対し「成城の地で安らかに休んでほしい」とねぎらいの言葉を贈った。

 

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