薬学部は6年間通います。
6年のカリキュラムを終え、無事卒業すると「学士」の称号を得ることができます。
この「学士」は4年制の大学を出た場合の「学士」とは異なります。
基本的に、「修士」と同じ扱いを受けます。
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企業によっては4年制大学卒と同じ扱いを受けてしまう場合もなくはないですが…
それでは、修士の次はなんでしょうか。
そうです、「博士」です。
博士になったら何かいいことはあるのでしょうか。
そして博士になるためにはどれくらいの時間がかかるのでしょうか。
薬学博士になるには4年かかる
6年制薬学部を出た状態から、博士になるためには、博士後期課程に通う必要があります。
この博士後期課程ですが、なんと「4年」かかります。
ほかの学部ですと博士後期課程は「3年」なのですが、薬学部6年制の場合、「4年」なのです。これは医学部の博士後期課程と同じ年数です。
ちなみに薬学部4年制(薬剤師免許を取得しないコース)ならば博士課程は「3年」です。
これがどういうことを意図するかといいますと、「薬学博士の薬剤師になるためには最低でも10年かかる」ということです。
18歳で大学入学。
24歳で大学卒業。
28歳で博士課程修了。
最低でも10年間薬学部に通って勉強・研究しなければなりません。
社会人博士という形で、働きながら博士を目指すこともできます。
大学病院に就職している薬剤師には特に多いのではないのでしょうか?
昼は薬剤師として仕事をこなし、夜は大学で実験を……
そんな生活を最低でも4年こなさなければ薬学博士になることができません。
はっきり言ってかなり厳しい道です。
私は卒業前に博士課程への道をスカウトされましたが、丁重にお断りしました。
6年間の大学生活で疲れ切っていたのに、さらにこの先4年間も研究なんかしていられるか!!!といった心境だったのです。
そんなもん、ブラック研究室につかまって4年間も研究なんていったらこの世の終わりですよ。暗黒の20代ですよ。
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病院薬剤師として出世したい方、製薬会社で研究職としてキャリアを積みたい方は社会人ドクターという形で博士課程に進むようです。
薬学博士の就職実態はどうなのか?
実際のところ、6年制卒の博士が出てきたのは、今年が初めてでしょう。
「6年制卒の博士」の第一期生が今年4月から社会に出てきたのだとすれば、その社会的評価などまだまだ定まりません。
あと10年は待ってみないとなんともいえませんね。
ただ、製薬会社の研究職とか、アカデミックな場所で活躍したいと考えている方であったら、薬学博士の取得は多くの人が辿るルートなのではないでしょうか。
「6年制の学士」というのは、名目上は「修士」と同じ扱いではありますが、やはり研究実績で言うと「修士」に劣ってしまう部分はありますので。
研究実績がしっかりあることをアピールしたいのであれば「博士」を目指すメリットは十分あると思います。
このごろは製薬会社の研究職は博士採用が増えてきていると聞きますしね。
ただ、6年間の薬学部生活で疲弊しまくっている中、さらに4年間の博士課程を突き進もうとするのは、正直、ドMというか、よくやるわというか……私だったら絶対にまねできません。
研究への強いマインドを持っている方は博士課程にチャレンジされてみてはいかがでしょうか。
「6年制卒の薬学博士」というのは現状非常に少ないので、今から目指しておけば将来、先行者優位でなんらかのメリットを享受できるかもしれません。
研究に熱い魂をささげたい方は博士課程に進んでみてもいいのではないでしょうか。