サムスン電子のスマートフォン「ギャラクシー」にLGの部品が搭載される見通しだ。サムスン電子は31日、LGイノテックからスマートフォン用「2メタルチップオンフィルム」ち呼ばれる部品の供給を受けるため、性能や単価をテストしていることを明らかにした。
サムスン電子がスマートフォン、テレビ、生活家電などの主力事業で競合するLGから部品供給を受けるのは異例だ。サムスン電子はこれまでSKハイニックスや中国企業から半導体や液晶パネルの供給を受けるケースはあったが、LGから部品供給を受けた例はほとんどない。それにサムスン電子に今回納品するLGイノテックは部品メーカーのサムスン電機と直接的なライバル関係にある。
財界関係者は「LGイノテックの納品が実現すれば、サムスンが系列会社から大半の部品供給を受けてきた垂直系列化にかなりの変化が生じる」とし、「よい製品を作れるならば、系列企業であろうがなかろうが差別しない」という李在鎔(イ・ジェヨン)副会長の実用路線が根底にあるのではないかとの見方を示した。
LGイノテックが生産準備を進める2メタルチップオンフィルムは、スマートフォンのパネルと回路基板をつなぐ薄いフィルム状の部品だ。これまでの部品とは異なり、曲げたり、折りたたんだりできるため、サムスン電子のスマートフォン「エッジ」のように曲面パネルが採用された製品に使われる。
サムスン電子がLGイノテックの部品採用を検討しているのは、「ギャラクシーS7エッジ」の販売が好調を示すなど、曲面スマートフォンの生産量が増えていることによるものだ。LGイノテックは今年下半期に2メタルチップオンフィルムの量産に入る計画だ。