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【ビジネス解読】
鉄鋼業界の世界的再編に韓国だけ取り残されている 中国の追い上げ、日本の巻き返し…「サンドイッチ状態だ」
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確かに韓国では、中国勢の攻勢にさらされているにもかかわらず、目立った再編は起きていない。昨年7月に現代製鉄と現代ハイスコが合併したが、これは同じ現代グループ傘下の企業同士によるものだ。一方、経営再建中の中堅メーカー、東部製鉄はまだ買い手が見つかっていない。
韓国の大手はポスコと現代製鉄の2社に集約されており、再編余地は少ないとの意見もある。だが、韓国の鉄鋼業界に詳しい日本貿易振興機構アジア経済研究所の安倍誠・東アジア研究グループ長は「中堅以下を含めるとそうとはいえない」と話す。
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実際、韓国政府は以前から再編や構造調整の必要性を認識し、さまざまな手を打ってきたが、思うように進んでいないのが実情だ。安倍氏はその背景に「オーナー企業や財閥系が多く、簡単に統合できない事情がある」と指摘する。
韓国は、これまで躍進の原動力となってきた造船などの製造業で、中国勢の追い上げに直面。日本にも巻き返され、「サンドイッチ状態」に陥っている。同じことは鉄鋼にも当てはまる。
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