記事詳細
【ビジネス解読】
鉄鋼業界の世界的再編に韓国だけ取り残されている 中国の追い上げ、日本の巻き返し…「サンドイッチ状態だ」
中国の鉄鋼業界で、再編に向けた動きが加速している。6月26日には、ともに国有大手の宝鋼集団(上海市)と武漢鋼鉄集団(湖北省)が、再編協議に入ったと発表した。もし統合することになれば、アルセロール・ミタル(ルクセンブルク)に次ぐ世界2位のメーカーが誕生する。日本を含む海外メーカーは、中国の「作りすぎ」による市況暴落に苦しめられてきただけに、再編で過剰な生産能力が解消に向かうことを期待しているが、その一方で危機感を募らせている国もある。そう、お隣の韓国だ。
◇
「再編がスタートするのはいいこと」。神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長は、宝鋼と武漢の協議入りをこう歓迎する。
中国の粗鋼生産量は、世界の約半分にあたる年間約8億トンを占める一方で、4億トンもの過剰な生産能力を抱えているとされる。中国メーカーは少しでも稼働率を高めようと、昨年だけで1億トン以上を投げ売り同然の安値で輸出。これが国際市況の暴落を引き起こし、「とばっちり」を受けた海外メーカーを疲弊させてきた。
このニュースの写真
関連ニュース
- 【経済インサイド】自転車大国・中国が「自転車は環境物品」と強引なこじつけで関税撤廃を求め欧州が猛反発 混迷するWTO交渉の舞台裏
- 【経済インサイド】バーバリーの穴は大きすぎた…ライセンス切れの三陽商会が業績不振で大リストラ 新ブランドのマッキントッシュの認知度は…
- 【経済インサイド】富士フイルムVSキヤノンの確執ますます 東芝メディカル買収を了承した公取委にも矛先 「アンフェアだ!」
- 【経済インサイド】64億円、20億円、10億円…社長よりも報酬が多い外国人役員 逆転現象はなぜ起こるのか?
- 【経済インサイド】東京・山の手エリアの新車は2台に1台が外車というのはホントなのか? メルセデスは輸入車首位奪還 BMWも…
- 【経済インサイド】TOEIC600点超…東京ハイヤー・タクシー協会が五輪向けTSTiE(タスティ)ドライバー続々育成中