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【経済裏読み】
ポケモンGOに翻弄される韓国…成功妬んですぐ投資、「ポロロGO」で“パクリ”のそしりも
こうした政府対応に対して、韓国メディアの意見も割れているようだ。
中央日報は社説で、予想されたことと前置きし「“後手”に回っている」と指摘する。2008年にニンテンドーDSが大ヒットすると、当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領は「われわれはなぜあのようなものを作れないのか」と述べた。また今年3月、韓国人囲碁棋士のイ・セドル九段が米グーグル傘下企業のAI「アルファ碁」との対局に負けた際には、大統領府がただちに「韓国型アルファ碁」開発に乗り出した。5年間で1兆ウォン(約930億円)の予算を人工知能に投じるという。
こうした動きの鈍さが後手に回っていると指摘されるゆえんなのだろうか。社説は、シンデレラ法など各種規制によって韓国が握っていたオンラインゲーム産業の覇権が中国に移ったと批判する。2010年に2万658社だった韓国のゲーム業者数は15年には1万4440社と3割も減るなど、ゲーム産業の活力も失われたとしている。
韓国では、現実世界に映像などの情報を付加するARの技術は、バーチャルリアリティ、人工知能とともに情報通信技術(ICT)の3大核心キーワードと呼ばれ、ゲームこそこれらキーワードを貫通する産業と位置づけられる。それゆえに同紙は、遅れながらも政府が規制緩和の方針を固めたのは幸いだと強調するのだろう。