■高級製品の開発など先手の対応を
先進国の圧力も根強い。昨年上半期には1件しか提訴がなかった米国は、今年上半期に厚板など鉄鋼品目3件に対する反ダンピング調査を開始した。この勢いならば、昨年通年の提訴件数(4件)を超える見通しだ。
米国は昨年提訴があった品目に対する規制措置を相次いで決定している。米商務省は7月22日、ポスコ、現代製鉄が輸出した韓国製冷延鋼板に38~65%の反ダンピング・相殺関税を課す内容だった。21日には米貿易委員会(ITC)が韓国製耐腐食鋼に最高48%の反ダンピング関税を課すことを決めた。20日にサムスン電子、LG電子が中国で生産した洗濯機に対する反ダンピング関税仮決定の場合、実際は韓国企業が規制対象だが、中国製であることから、韓国への直接的な輸入規制にはカウントされていない。
韓国の通商専門家は全世界で貿易が低迷する中、輸入規制が増えると予想されることから、輸入規制が発動される前に先手の対応が必要だと指摘する。
韓国貿易協会のハン・チャンフェ通商協力室長は「韓国企業は当面の輸出を増やすために低価格で販売を行い、相手国の規制の口実を与えてはならない。規制の壁を越えられる高付加価値製品の開発に取り組むべきだ」との意見だ。
対外経済政策研究院のソ・ジンギョ貿易通商本部長は「政府も輸出企業の現場と随時コミュニケーションを取り、相手国の動きに備え、世界貿易機関(WTO)や多国間交渉を通じ、輸入規制や保護貿易主義が共倒れの道だという点を強調していかねばならない」と語った。