新興国にも広まる韓国製品輸入規制強化の動き

新興国にも広まる韓国製品輸入規制強化の動き

 インド政府は今年4月、韓国製熱延鋼板に対する反ダンピング調査に着手した。インドの鉄鋼メーカーが韓国産熱延鋼板にダンピングの疑いがあると提訴したためだ。これに対し、インド政府は3月には韓国製熱延鋼板に追加関税20%を課すセーフガード(緊急輸入制限措置)を取ることを最終決定した。

 インドは韓国の鉄鋼業界にとって4番目の規模の輸出市場だ。セーフガードなどの影響で、4月以降の3カ月で韓国製熱延鋼板の対インド輸出は前年同期比22万4000トン(約50%)減少した。韓国鉄鋼業界関係者は「インドで熱延鋼板、冷延鋼板、厚板などに輸入規制措置が拡大している。反ダンピング措置が確定すれば、昨年2兆ウォンに達したインドへの鉄鋼輸出が全面的に中断される可能性もある」と指摘した。

 世界各国が韓国に対する輸入規制の壁を高めている。本紙が韓国貿易協会の資料を分析した結果、今年上半期に韓国を相手取る反ダンピング調査、セーフガードなど輸入規制関連の新たな提訴が20件あり、前年同期の12件に比べ大幅に増えた。特に新興国による提訴の割合が80%に達しているほか、大統領選を控えた米国で韓国製品に対する反ダンピング提訴が相次いでいる。先進国と新興国の両方から韓国の輸出が挟み撃ちに遭っている構図だ。

■新興国による提訴倍増

 新興国で韓国からの輸入品に対する提訴が急増している。年初来で先進国での提訴は米国3件、欧州連合(EU)1件の計4件で、残る16件は全て新興国による提訴だった。新興国・地域ではインドの6件が最多で、台湾、マレーシアが各2件となっている。2012年以降提訴がなかったメキシコも提訴に加わった。昨年上半期の新興国による新規提訴は7件で、全体の半分足らずだった。

 新興国の提訴増加は世界の景気低迷で困難に陥った新興国にとっては自国産業を守るための措置だ。今年上半期の新興国が行った提訴のうち12件を鉄鋼分野が占め、化学(2件)、繊維、機械(各1件)が続いた。大韓貿易投資振興公社(KOTRA)のキム・ゴンスク通商戦略チーム専門委員は「鉄鋼と化学は新興国が産業発展段階で集中育成する品目だ。世界的な需要減少に供給過剰が重なり、新興国が敏感に反応し始めた」と指摘した。

 さらに大きな問題は、新興国が輸入を規制する品目が韓国の主力輸出品目である点だ。新興国の攻略を通じた輸出市場多角化で突破口を探る韓国企業の戦略に冷や水を浴びせる可能性が高い。鉄鋼分野で対インド輸出は今年第1四半期までは前年同期比13%伸びたが、インド政府による輸入規制が表面化した第2四半期には32%減少した。

金承範(キム・スンボム)記者
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