危険な崖を放置 大津市が不動産会社に措置命令へ

危険な崖を放置 大津市が不動産会社に措置命令へ
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大津市で、宅地開発が行われている山林の斜面が削り取られて切り立った崖のようになったまま放置されていることから、市はこのままでは危険だとして、開発を行った不動産会社に対し十分な防災対策を行うよう措置命令を出す方針を決めました。
大津市秋葉台では、住宅地近くの山林の一部が削り取られ、高さ20メートルの切り立った崖のようになっています。
この山林では、滋賀県草津市の不動産会社が住宅地として開発するため、おととし10月から工事を行っていて、当初の計画では、去年7月には終える予定でしたが、工事途中のまま放置されていました。
崖のようになった箇所の下には住宅地もあることから、大津市は会社に対し必要な防災対策を実施するよう繰り返し警告や勧告を行っていましたが、市によりますと会社側は斜面の一部をシートで覆い、土のうを積むなどの対策を取っただけだということです。
このため市は、このままでは危険だとして、会社に対し、弁明の機会を設けたうえで、十分な防災対策を実施するよう都市計画法に基づく措置命令を出す方針を決めました。
大津市の越直美市長は「市民の安全・安心のために専門家と相談して、できることはすべてやりたい」とコメントしています。
開発を行った草津市の不動産会社の社長はNHKの取材に対して、「工事を頼んだ業者が土を削り過ぎた。是正することを検討しているが、いつになるか分からない」と説明しています。

近くの住民らは不安の声

現場近くに住む70代の女性は「とても怖い。景観も悪くなったので、早く元の状態に戻してもらいたい。これから台風の季節なので土砂崩れが起きないか心配だ」と話していました。
20代の男性は「今のままでは怖い。とりあえずなんとかしてほしい」と話していました。
近くの病院に勤務する60代の男性は「通勤中にいつも通るので、『どうなっているのか』と感じている。雨が降った時は土が流れ出ているので、いつか大変なことにならないか不安です」と話していました。