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3396枚目 原爆ドームを描き上げた

子どもたちが描いた原爆ドームの絵を見る原広司さん(右から2人目)=広島市中区で2016年7月30日、山田尚弘撮影

 広島市の原爆ドームを30年以上描き続ける被爆者、原広司さん(84)=同市安芸区=が30日、同市の平和記念公園であった写生大会で小学生に絵の描き方を教えた。自分で絵を描く気は当初なかったが、約2カ月ぶりに訪れ、3396枚目のドームを描き上げた。

     写生大会は広島平和教育研究所の主催で28回目。原さんは2005年から毎年講師を務める。この日、まず原爆資料館内で市内の小学生3人に自身の被爆体験を語った。13歳だった1945年8月6日は爆心地から15キロ離れた親戚の家にいたが、翌日に爆心地付近を歩き被爆した。「水をくれ」と求める黒焦げの人々。兵隊が遺体を運ぶため手足を持ち上げると、皮がずるっとむけた。原さんは当時を描いた絵を見せ、「耳の奥に『水を持ってきてー』という声が残っている」と話した。

     その後ドームの対岸に移り、画用紙に向かった。アドバイス通り、クレヨンやペンで頂上の曲線から描き始める子供たち。原さんは「子供は思いきって描くね」と目を細めた。

     原さんはつえなしでは歩けなくなり、ドームから足が遠のいていた。「久しぶりじゃった。ドームは『核兵器をなくさないと』と訴えているね」と話した。【竹内麻子】

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