第40回全国高校総合文化祭「ひろしま総文」は31日、各部門で高校生が日頃の成果を発表した。

 広島市安佐南区の市立大で開かれた「情報」部門。福山工高(福山市)は原爆投下の初報を発信したとされる、旧陸軍中国軍管区司令部の作戦室をCGや証言ビデオで再現した動画「継承」を発表した。計算技術研究部員と電子機械科の生徒らが協力。当時の関係者から聞き取り、人の動きを読み取って映像に反映させる「モーションキャプチャー」の技術も採り入れ、大きく被災した作戦室の様子を再現した。同部長で3年生の坂本海月(みつき)さん(17)は「一瞬で人の生活が失われたことが伝わるよう、人の動きにこだわった」。

 「特別支援学校」部門の作品が展示されたのは、広島市中区の県立美術館。「平和のメッセージを届けよう」というテーマで県内の特別支援学校の高等部の生徒が描いた約1300枚のメッセージカードが並ぶ。折り鶴や原爆ドームといった絵のほか「幸」や「希」と漢字一文字をあしらったものも。福山北特別支援学校1年の道祖尾(さいのお)竜哉さん(15)は「平和の鳥とジャングルジムとハートを描いて、楽しい気持ちを込めました」と話した。(清水康志、松本紗知)